逃避と容姿

 

「それ」が大事だからね、と言われた時、文字通り、腸が熱を持った。明確に、憎悪に似た怒りを伴って、嘔吐感を催す、ぼくに警鐘を鳴らす、反論しろと、怒りを放出して己を守れ、壊れてしまう前に。逃げろと叫び続けて波に奪われた彼の天使を彷彿する。ぼくらは、人が人である以上もう、逃げられない。

 

6:45pm

 

夕焼け小焼けでまた明日
狸のお面を被ったら
夕闇に攫われる前に 帰りましょ



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