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自分との約束 ▷ 屋根裏

僕が今月中旬から本部所属として動くことが、徐々に現場で拡がりつつある。

昨日の現場で作業開始前に休憩室に集まった時、一つ年下の女性現場責任者と挨拶をするなりその話題になって、「裏切り者〜」と冷やかしを受けた。

「由眞なんかに」
「いいなあ俺もやりたかった」
「裏切り者」

確かに僕がこれから携わる仕事は、現場責任者より楽と言ってしまえばそうなるかもしれないけれど、現場責任者にはない負荷ももちろんある。
より責任が重く、より高い精度を求められるこの仕事において、凡ミスしがちな、しかも現場責任者の中でも若手の僕が就くことに、良く思わない人はどうやら多いらしい。

解ってた。
解ってるよ。
アイディアや持論を発信する時、挑戦する時はいつだって誰だって、最初は否定されるものなんだって。
でも、誰でもいいような仕事ではないし、これまで本業以外の業務も日勤も正社員登用も、現場責任者になることだって、自発的に何でも行動を起こして来たお陰で得た好機で、選択肢だ。提示されれば自分も考えたかったのに狡いとか、文句を垂れながらでも現状を甘んじて受け入れているだけの貴方達に言われる筋合いはないんだよね。

ねえ、子供じゃないんでしょう。
目の前に差し出されたご飯を食べるだけじゃ飽き足らず、他者が手にした玩具にちゃちゃを入れるの、なんて不毛なんだろう。食材のひとつひとつがどうやって作られて運ばれて手を加えられて口に入れることが出来るのか、考えたことないのかな。仕事も一緒で、僕らがやれと言われてやっている業務はどんな経緯があるのかとか、システムを考えているのは誰だろうとか、メインの業務以外にどんな仕事があるんだろうとか、そういうことだと思うんだ。

師匠は、面白いこと見付けたね、と微笑んでくれた。
現場責任者で且つダーツの先輩であるまっさんは、なーんだそうなんだと残念がりながらも、じゃあまたダーツ行くか、企画するわ!と祝ってくれた。
上長は、僕の向上心と視座の高さ、行動力を認めてくれた。

ごめんね。
僕はもう、そうやって僕の背中を正しく押して、撫でてくれる人にしか気を遣わないって決めたから、口だけ立派な貴方達とはお喋りも通わす心も何も無いや。想像力と行動力の無さにもはや可哀想とさえも思わない。ごめんね、さよなら。

 

▒ 自分との約束
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やりたいことをやる。
好きなことを、好きなだけ。
やりたいことの中でのやりたくないことは、頑張ってやる。
あまりにも辛くなったら、死ぬ前に逃げる。ご飯が美味しいと感じる内に、薬なしで寝付ける内に。
自分の心に耳を傾けて、サインのひとつひとつを出来るだけ拾って行く。それが自分と向き合うこと、対話すること。そうやって自分を守ることで、大切な誰かを守れること。

自分の心が、頷く方へ。
そう、約束したんだ。

 

 

裏切るも何もそもそも同盟を結んだ覚えはないし、例えばどっちが先に辞める辞めないだとか、そんな話すらしたことない人に、裏切り者扱いされるのは名誉毀損もいいところだなと感じたけれど、これは僕自身が先輩達に感じていた裏切りの感覚と似ていて、その反対は期待で。辞めないで欲しかったとか戦力が欠けたとか、僕が辞めることで、少しでもそう思って貰えていたんだと思えば、有難いことだなって、感じる。こんな僕でも、信じて頼りにしてくれてた人がいた、その事実が僕の追い風になるから。

愛おしいと思うよ。
でも、さよならだね。

 

◇◇

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。
【花時雨の微睡みに、屋根裏部屋で。】オーナーの由眞がお送りしました。

引き続き、屋根裏部屋でのお喋りをお楽しみくださいませ。


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