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1日目

芸術の都であるパリ。
その存在は今も昔も変わらず遠い存在のように感じている。

大阪から乗り継ぎも兼ねて約16時間。
長かったようで短かった移動時間を終えて、夜のシャルルドゴール空港に降り立った。第一印象は心地よくない緩い暖房が効いている。この心の底からリラックスできない感じが、ヨーロッパまたは海外に来たと感じる。嫌いじゃない。

バスに乗るために外へ出た。10月下旬のパリは湿度も高くなくカラッとしている。余計に夜風を冷たく感じて、肌が痛い。

バスから目的地まで1時間。空港からの大きい幹線道路から徐々に道が規則正しく、車窓から見える古いアパルトマンや建物に変わっていくのを見て、市街地に入っていくのを感じる。

未だにパリについた実感もないまま、無事に目的地に到着した。到着して目の前がたまたまユニクロの大型店の前のバス停だったこともあり少し戸惑うが、少し見渡すと曲線のデザインが本当に美しい昔ながらの建物が立ち並んでいた。
その建物には地物スーパーや薬局、またはファストフード店が軒を連ねる。古い建物に現代の店が並んでいることに何故か違和感を感じない。そんなことを感じながら、地下鉄の駅へ向かった。

駅までの道中、たたでさえアジア人で目立つ中、それなりに大きいオレンジのキャリーを転がしながら地下鉄へ向かう。自分でもわかった。相当悪目立ちしている。

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「パリの地下鉄はスリが本当に多いから用心しなさい。」とパリに10年近く住んでいたという友人のお母様からの助言を心に留め細心の注意を払いながら、車両に乗ろうとした瞬間、アジア系の女性に肩をトントンとされて、?と思いながら乗ろうとした電車を降りた。と同時に1背後に人の白人女性も1人降りて行ったのを感じながら、アジア系の女性が「オレンジのキャリーと鞄なんか持って観光客感丸出し。今一緒に降りていった彼女、あなた達のこと狙ってたよ。注意しなさい。ここはパリだから。」

そう言われた後、周りにいる人々全てが悪人に見える。友人とビビりながら、次から次へとくる電車を少なくとも6本見過ごした。そしてたまたま、空いている車両があったので急いで飛び乗って最寄り駅に着いてからも、ヒヤヒヤしながら無事に宿に到着した。家主と軽い挨拶を交わした後、さっきまでの疲れがドッとのしかかってきてた。その日の寝つきは不思議と早かった。

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2日目へと続く。

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