【7月15日】表現したいことは直接かかずに「その周りをかく」
オーディオブックカフェというPodcast番組で、毎週オーディオブック化されている本を紹介しています。この番組のおかげで読書量すごく増えた。
Spotifyでも聞けます。オーディオブック.jpの聴き放題プランではアフタートーク的なものもおまけで付いてます。
きっちり推せる本だけを厳選して紹介しているのでラインナップにはけっこう自信あります。気になった本の回からまずは聴いてみてほしいです。
この番組で「聞く、ほぼ日。」というコンテンツについて取り上げた。この回でも熱く語っているが、「聞く、ほぼ日」ですっかり画家の山口晃さんのファンになってしまい、作品集も買ってしまった。
山口晃さん回はオーディオブック.jp内にもコンテンツとして用意されているが、Podcastでも聞けるのでリンクを紹介。
「聞く、ほぼ日」というコンテンツは、ほぼ日刊イトイ新聞の中でかつて公開されていた記事を、プロの読み手が読み上げ、音声化したコンテンツ。
音声化される前の記事はこちら
「聞く、ほぼ日」がなぜ素晴らしいかというのはオーディオブックカフェで鳥井さんと熱く語っているのでそちらをお聴きいただくとして、ここでは山口晃さんの創作論を聞いて考えたことをちょっと語りたい。
絵を描くことも文章を書くこともけっこう似ている部分が多いとおもっていて、だから山口さんの創作論はすごく刺激的だった。
山口さんは若い頃に、「絵の中に描き入れたい要素を箇条書きにする」というやり方を試みたそうだ。しかし、それをしてしまうと逆に絵がやせてしまう。自分の中から釣り上げるものが少なくなってしまう、と言っていた。
あ、いいな、と思ったものはむしろ言語化しすぎず、ふわっとしたままにしておいたほうが、自分でもうまく説明できないような絵がかけるのだそうだ。
この話は、文章を書くことにも応用できるんじゃないかなと思った。
たぶん、本当に伝えたいこと、表現したいことがあっても、それそのものを言葉にしようとはしないほうがいいんだと思う。それをしようとすると、ものすごく陳腐な言葉の羅列になってしまう。
では何を書けばいいのかというと、その感動した瞬間の「周り」を書けばいいのだ。その日何を食べて、誰と会っていて、どんな話をして、何を心配していて。そういうことを書いていると、だんだん、書きたいけど書けない、でもたしかに自分に文字を書かせる「何か」の輪郭がぼんやりとみえてくる。
そうやって書いているうちに、だんだんと自分で自分が書いている文章に関心するようになってくる。「へぇ、うまいこと言うなぁ」とか思い始める。
書きたい、表現したい、伝えたい、と感じることは実際、書いてみるとコレジャナイ感がすごい。僕はそれを繰り返すたびに、自分にはもう書きたいことなんてないんじゃないかとあきらめかけていた。
しかし「もう別に、表現したいことなんてないな」のその更に先があった。僕が書くべきことは、もっともっと身近にあった。手前にあった。それをよく見て書けば書くほどに、自分は何も書いていなかったことを思い知らされている。
読みたい本がたくさんあります。