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料理本『フライパンひとつで魚のごちそう』ができるまで【その3】あっ!と著者がひらめいた

フードスタイリストのダンノマリコさんと知り合ったのは、実は15年ほど前。
そのときは料理を作る人ではなくて、スタイリストさんでした。
そこから何度となく、料理本のスタイリングをお願いしてきたのです。

御自身の雰囲気同様、自然体かつセンス抜群のスタイリングは、まるで「ダンノ・マジック」! 面白半分にそう称していましたが、実際、スタイリングの力で、料理本の世界観を、ひとつもふたつも上質なものにしてくださいました。

そのうちに、ご自分でも料理を作る仕事をはじめられ、スタイリストと平行して、ごはん会を主宰したり、本を作られたりしていました。

ここ数年は、仕事を御一緒する機会はなかったのですが、『フライパンひとつで魚のごちそう』をお願いする料理家さんを探していたとき、「あっ!」と思い出したのがダンノさんなのです。

なぜ「あっ!」なのか。
ぴったりの人が近くにいるではないか!
ということもありますが、もっと「あっ!」なのは、
ダンノさんが魚料理が大好きで大得意だからです。

仕事ではご無沙汰していても、インスタなどでダンノさんの近況は知っていました。
「築地お魚くらぶ」で勉強したことをベースに、魚を中心とした活動に力を入れていて、インスタにあがる魚をさばく写真や動画を、いつも楽しみにしていました。
そうこうするうちに、日本各地の旬の魚介を楽しむための料理会「ミナトゴハン」なるものを主宰したりと、どんどん魚にのめり込んでいっていました。

そのインスタの中に、「魚の会」のお品書きがあったのです。
旬の魚をテーマに、ダンノさんさまざまな料理をお客さんにふるまうというもので、それはそれはおいしそうな、楽しそうな会でした。
正直、誘ってよ!と思っていました。

いえ、そんなことより、お品書きです。
ダンノさんの手書きのイラストが添えられていたのですが、その料理の楽しいこと! みんなひと工夫されていて、想像力にあふれた料理たちだったのです。

そのお品書きがずっと心に残っていたのでしょう。
ダンノさんがいた!と思いついた途端、ドキドキ、ワクワクしてきました。

そんなわけで、
スタイリストではなく、料理研究家として、ダンノマリコさんに仕事の依頼をすることになったのです。




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