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料理本『フライパンひとつで魚のごちそう』ができるまで【その4】名のない魚料理を!

まずはじめに、章構成が決まりました。
「フレンチな魚のごちそう」「スパニッシュな魚のごちそう」
「居酒屋の魚のごちそう」といった章立てです。

コロナで外食の機会が減ってしまったので、
この本を手に取ってくださった方が、少しでも外食気分が味わえるようにしたかったのです。

この章立てに合わせて、ダンノさんに掲載するメニューを提案してただきました。はたして、ダンノさんから送られてきたメニュー案は、さすがにどれもおいしそうでした!

だから、とても言いづらかった、、、

結論から言えば、それらのメニュー案は一度忘れて、新たに考え直していただくよう、お願いしたのです。

理由はネットです。
いまやネットで検索すれば、簡単にレシピが調べられる時代。
定番料理や、なんとなく名前の流通している料理では、本を買ってもらえない──そう思ったのです。

なので、ネットで検索できない魚料理を改めてお願いしました。
いわば「名のない魚料理」。
もちろん、本の中では、すべての料理に名前はつけますが、
「さばみそ」とか「あじの塩焼き」といった、料理名を簡単には検索できないもの、という意味です。

その提案にダンノさんは、かえって喜んでくださいました。
これまでの経験から、定番的なもののほうがいいのかと思っていたそうです。

基本を押えながらも、もっと自由に、作って楽しい、食べておいしい新しい魚料理を提案できることに、ダンノは嬉々として取り組んでくださったのです。

そして、ついに決まったメニューたちは、どれも既存の料理ではなく、
この本にしか載っていないものばかり!
たくさんのアイデアを詰め込んだレシピを、ダンノさんは見事に“発明”してくださったのです。

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