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【読書感想】地球星人

読む前に注意しておきます

⚠️ネタバレを含むので読んでいない方は注意してください
⚠️あくまでねゆ個人の感想と解釈なので参考程度に見ていってください!


地球星人/村田沙耶香

正直、今まで読んだ本とは世界観が違ったので最後まで「これだ!!」という解釈が出来なかった。だけど、いつまでも心の奥底に残るような衝撃作であることは間違いない。
この本を読み終えてから1ヶ月以上経過しているが、今でも物語が脳を侵食している。

主人公について

主人公は幼い頃から、結婚をして子供をつくるという行為に関して嫌悪感を抱いている。では主人公は恋愛が嫌だったのか?主人公は幼なじみの由宇だけを好み、ついには一線を超えてしまっていた。これが恋愛感情だったのか、価値観が同じだから惹かれただけだったのか、最後まで読んだ結果私は後者だと考えた。(真相は分からないが)

主人公は性的マイノリティ?

ところでこれを読んでいる貴方は「アセクシュアル」「アロマンティック」という言葉を聞いた事があるだろうか。

アロマンティック…他者に恋愛感情をまったくあるいはほぼ持たない人。

アセクシュアル…他者に性的な関心をまったくあるいはほぼ持たない人、および性的行為への欲求が低いまたは無い人。アセクシュアルの人のすべてがアロマンティックというわけではない。アセクシュアルであることは禁欲とは別物!禁欲はセックスを避けようという意図的な選択だけれど、アセクシュアルは違う。

イラストで学ぶジェンダーのはなし みんなと自分を理解するためのガイドブック

主人公や主人公の夫はそのような性的マイノリティであり、多数派だけが正義とされるこの作品の世界では軽蔑されているのではないかと思った。
ただ、この本を読んだ当時私が性的マイノリティこれは本当に個人的な解釈なので共感されにくいと思う。


周りの人について

子どもの頃は自己を形成する過程において家庭環境は大きく影響すると聞いたことがあるが、小学生時代から両親や姉から見放され軽蔑されて生きている主人公は、読んでいても苦しかった。
私自身は幸いにも家族に恵まれて生活をしているが、これがもし私の家庭環境だったら耐えられないと思った。


物語の結末

なぜ主人公たちがカニバリズム的な行為に陥ったのか、なぜ子孫をつくることに成功したのか、私の中で謎は多い。しかしそれこそが「正解」だと思う。読了後にすっきりするのではなく、常識や性とは何なのか改めて考えるきっかけになるのが村田沙耶香さんの著書の良いところでもある。


最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。気になった方はぜひ手に取っていただき、1回読んだという方はもう一度読むきっかけとなればとても嬉しいです。

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