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認知バイアス 実例集

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ダン・アリエリーの「予想通りに不合理」で紹介されている、ヒトの認知のクセについて、短く要約,抜粋して整理しました。
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2021年3月の記事一覧

先延ばし1

 2020年は新型コロナへの対応のために夏休みも変則的になっており、宿題も地域や学校ごとに異なっていることでしょうが、通常は、1か月余りの夏休みがあり、長さに応じた宿題が出ます。それを、新学期にまとめて持っていきます。計画的に宿題ができる人はまれで、たいていは夏休みの終盤にまとめてやります。「こんなはずじゃなかったのに。」と言いながら。なんだかんだと理由を付け、そのうち、宿題のことも忘れて、どんど

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先延ばし2

 車の部品は、ざっと2万種類弱くらいあるそうです。それぞれの部品には寿命がありますから、安全に乗り続けるためには、寿命が来る前には交換しなければなりません。問題なのは、部品ごとに寿命が異なっていることです。このようなとき、ヒトは、少しくらい大丈夫だろうと点検や部品交換の時期を先延ばししてしまいます。アメリカのフォードは、点検の時期を客任せにしてあったために、点検が不十分なままの車を野放しにし、同時

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先延ばし3

 スキナーは、ネズミを使った実験を行いました。ネズミがレバーを100回押すとペレット(えさ)がもらえる定率強化と、ペレットがもらえる確率は同じで、いつもらえるかが分からない変率強化とを比較しました。どちらのネズミも、えさを手に入れるために必死でレバーを押すようになりますが、ある瞬間から全くエサが出なくなるようにしたところ、定率強化のネズミはあきらめが早いのに対して、変率強化のネズミはあきらめが悪く

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酸っぱい葡萄1

 アメリカの大学対抗のバスケットボールのチケットは、販売の何日も前から並ぶ必要があるなど、入手することが容易でないそうです。しかも、何日も並んだにもかかわらず抽選で外れることもありますから、入手したい人はそのことも覚悟して並んでいるようです。

 そのチケットがどのくらい価値があると思うかということについて、入手できた人と、できなかった人に聞くと、かなり差があることが分かりました。

① 外れた人

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酸っぱい葡萄2

 「サブスク」という言葉を聞くことが多くなってきました。「定額制」と近い意味で用いられますが、それよりは進化してきているようです。

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毎月一定額を支払うことで利用できるサービスは、昔から存在していました。新聞などの定期購読料、賃貸住宅の家賃といったもので、自動車にしても、レンタルやリースという利用形態がすでに存在しています。
当時の定額支払いのサービス形式は、製品そのものを購入する場合と比

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