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#134 [歴史] 現在まで外交関係の基本となっている国家主権の原則

第20週 第1日(月)歴史「ウェストファリア条約」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は歴史「ウェストファリア条約」です。

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本の要約

1648年冬、30年前から続く戦争と破壊に疲弊した主要ヨーロッパ諸国は、平和条約をまとめ上げるため、ドイツのウェストファリア(ヴェストファーレン)地方に集まった。30年戦争は、ドイツでのカトリック対プロテスタントの宗教紛争として始まった。ウェストファリアでヨーロッパ諸国は、宗教を理由にこれ以上戦うのは無意味だとの結論に達した。各国は、自国がどの宗教を選び、どんな外交政策を取るかを自ら決定できるものとすることで意見が一致した。これ以降、敵対するヨーロッパ諸国が、自国に奉じるキリスト教の教派を隣国に押し付けようとすることはなくなった。

さらに重要だったのは、この条約によって、国家主権の原則が正式に認められたことだ。1648年までは、ドイツの大小様々な地域(領邦)を収めていた領主たちは、神聖ローマ帝国に従っていた。しかし、最終決定権を領主なのか、皇帝なのか、はっきりしていなかったものを、主権をもつのは個々のドイツ領邦であって、離れた皇帝ではないことを明確にした。

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ウェストファリア地方

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厳密には、ドイツ地方の都市である「ウェストファリア」の二つの市「ミュンスター市」と「オスナブリュック市」で結ばれた「ミュンスター講和条約」と「オスナブリュック講和条約」の二つを合わせて「ウェストファリア条約」と総称される。

これは、プロテスタントとカトリックが、どちらも相手と直接会うのを拒否して、それぞれが別の町に滞在したから。

めちゃ仲悪い。

終わることのない争い

国家主権という概念は、宗教同士の戦争に終わりを告げた。しかし、戦争そのものがなくなることはなかった。ヨーロッパ君主たちが神以外に戦う理由を見つけたからだ。

現在でも続く戦争は、良くも悪くも国家主権という概念が生き続いている証拠でもある。

ウェストファリア条約によって人類は新たなステージへと踏み出せたとしたら、現代でもそろそろ新たな世界的条約が結ばれてもおかしくない時代なのかもしれない。

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