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シードベンチャーの事業計画のフォーマット作成で気を付けたこと

こんにちは、FromToの中田です。
資金調達やローンチなどを踏まえて、売上・費用・キャッシュフローなどについて常にモニタリングできるような事業計画のフォーマットを作成しました。
折角ですのでそのあらましについて書きたいと思います。

これから事業を立ち上げようとしている方、実際に立ち上げ始めている方につきご参考になると幸いです。
※なお、この記事はゴリゴリの金融畑ではない筆者によるものですので、「ふんわり会計経験者が背伸びして作ってみた」というレベル感になっています。

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■作成した背景

資金調達を踏まえ、より効果的に資金を投下する事項を整理したい、またバーンレートを随時確認していきたいという背景がありました。

これまでは顧問税理士の方に資金計画の作成を依頼していたのですが、見通しという面については事業環境が日次で変化していくこともあり、同期のタイミングが遅れたり、あるいは最新の見込み情報を伝達しそびれてしまうことを懸念していました。

そのため、自社で常に最新の事業計画を更新できるような状態になること、そして自社内および株主に対して常に最新の事業計画とキャッシュフロー(以下CF)が見れられるよう、作成に取り組みました。

■作成したフォーマットの概要

主にPLとCFの予測値を作成しました。
スプレッドシートを見て頂いたほうが早いのですが、そういうわけにもいかず、数値抜きのフォーマット側だけ画像を掲載しておりますのでご容赦ください。

まず、フォーマットのファイル構造は以下のようにグルーピングされています。

PLサマリー・CFサマリー > sim数値 > 実績・確定数値

PLサマリーのCFサマリーは月次で向こう2年間の数値を表示しています。

PLサマリー
CFサマリー

上記のサマリーシートを作成するために、sim数値として予測値を入力し、サマリーシートに反映させるような部分を作成します。
具体的には、売上予測・費用予測・営業外損益予測の3種に分け、それぞれ月次×項目のマトリックスにて数値を過去実績をもとに反映させたり、予測値を直接打ち込んでいきます。

費用予測のフォーマット例

最後に実績・確定数値ですが、直近月次の財務諸表を貼り付けることでサマリーシートに反映させています。 ※画像は割愛

一言で言ってしまえば、
「予測値と実績値をそれぞれ別途に入力し、サマリーシートに各数値を反映させる」という構造です。

■苦労した点・工夫した点

ファイル構造をそのまま真似て利用できるフォーマットをなかなか見つけられなかったところです。
ある程度ファイル構造を考えたところで、簡易にネットの海を徘徊しましたが、なかなか理想に合致するものが見つけられず、結果的に自作したほうが早いという結論になりました。
事業構造が異なる、使いやすさ、という点ではそうなのかもしれませんが、個人的には今回作成したフォーマットはある程度汎用性がありそうで、きっと世の中の誰かも個別に作っているのでは、、、と思っています。

また、財務モデルに詳しくない人であってもファイルの構造を理解できるような内容にできるように気を付けました。
事業計画という特性上、数値の論拠を示す必要があると思うのですが、テキストで都度補足するのではなく、数値や数式をたどるだけで事業計画上での背景や思想などが伝わるよう意識しました。

最後に、デザインやレイアウトにも気を遣いました。
元々資料作成上でのデザインやレイアウトが苦手でして、いかに「数字の塊である数表」を簡単に目に留めてもらえるか、そして理解してもらえるのか、には最も留意した点です。

■参考にした情報

・構造
投資家の方から財務モデルの具体事例を共有*して頂きまして、ファイルの構造などについて、かなり勉強させて頂きました。
スプレッドシートやエクセルのシート数が多くなる構造は個人的には苦手だったのですが、スライドと同じく「1ページ1メッセージ」ならぬ「1シート1目的」というつもりで頭の整理がつきました。
*具体事例の共有に関する補足:コンプライアンス・インサイダー含め、法律・特定利害に抵触する可能性が全くないことを念のためお断りしておきます

・デザイン
これを機に「外資系金融のExcel作成術」を改めて見返しまして、デザインに関する思想や手法についてはほぼほぼ踏襲した形になっています。
僕が語るまでもないほどの名著ですが、未読のスタートアップ経営者の方は是非。
※Prime会員ならPrime Readingで無料で読めるみたいです(投稿日時点)

外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方 慎 泰俊 https://www.amazon.co.jp/dp/B00JM1Z8LY/ref=cm_sw_r_tw_dp_YVWDZ5QEDBD7QWTVE7XT

・KPI管理
まだシート上実装していませんが、こちらのnoteはスタートアップCFOの友人から勧めてもらい、是非参考にしたいと思っています

■まだまだ勉強余地が山積み

事業計画自体は過去にも作った経験はありますが、今回のフォーマット作成を通じてまた新たな学びや発見がありました。
こうした事業計画のフォーマット、そして財務モデルについては、ビジネスグロースにあたってインパクトのある打ち手や事業判断などにも利用できる、強いツールです。
現状だとまだまだモニタリングという領域を出ないので、KPI設計だったりプロジェクト単位での財務シミュレーションだったりと、折を見て勉強し続けていけたらと思っています。

■(付録)

・この1カ月間取り組んだこと

※noteを更新する時に、それまで1カ月でやってきたこと、特に自分で引き取ってやってきたことや時間的に多く使ったものについて記載しています。シード期のスタートアップCOOって何をやってるのか、の参考になれば

・自治体との打ち合わせ
・自治体職員への業務インタビュー
・スタートアップのネットワーキングイベント参加
・クラウドワーカーへの業務発注
・マーケティング業務のディレクション
・47passユーザー情報整理
・BizDev領域での人材獲得に向けた打ち合わせ/面談
・自治体への実証実験応募
・インターン生への業務ディレクション
・ユーザーインタビュー
・メルマガ配信

社内の共有会でも反省をしたのですが、外注業務などについてはオリエンテーションから業務のディレクション、検品や出し戻しなどを踏まえると、業務負荷が劇的に減るというわけではないことを実感しました。
肌感としては、10の業務量をお願いすることで稼働は2~3くらいの見込みだったものの、結果として5くらいは稼働が必要というところです。
今後はディレクションコストも鑑みながら検討をしていきたいです。

・Meety始めました

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【Meety:中田のカジュアル面談URL】
https://meety.net/matches/GZbNRMgfZcAm

【今回のブログ執筆BGM】
Mikael Tariverdiev/ Visions In Black And White
https://open.spotify.com/album/5aNxAU3XYwgDuPPWVWFgVS?si=ZyJknh4mSouaMpS8WNrnBQ

※3200字くらい
※所要時間100分くらい

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