塵も積もれば山になる

あと10年もある、あと10年しかない。

国連WFPの持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals) を見て、どちらかというと私は後者だ。10年後に達成できる世の中ではないだろう、と私は率直に思った。2030年までに、飢餓のない世界を目指して活動を続けているWFPの街頭活動に足をとめた時の話をしよう。

現在も世界的に感染拡大し多くの人々が命を落としている、新型コロナウイルスが今もなお、猛威を振るっている。全国で外出自粛が初めて解除された頃、私は美容院に行きたかったので街に出かけた。美容院を終えて次の用事に向かって道を歩いていると、高級ショップが立ち並ぶ百貨店の通りに、寄付を募る街頭活動している人を見かけた。

フェイスシールドに、ビニール手袋をつけて、感染症対策をしながらも絶え間なく通りかがる人々に声を掛けている。

そこで立ち止まる人なんて誰もいなかった。振り返って目を留める人すらいなかった。

私もきっと心の中で申し訳ない気持ちを押し込みながら通り過ぎていただろう。しかし、何故だか無視することが出来ず、足をとめてしまったのだ。

その日は気温が高い日だったので、額にもビニール手袋の中も汗をかきながら、男性が話をしてくれた。

ぶっちゃけ、街中で募金の話に立ち止まっている若い人なんて目立つだけで、通りすがる若い人に皮肉まじりに「偉い人なんだよ」なんて言葉が聞こえてきて、なんだか小っ恥ずかしい気持ちになってしまった。

別に金持ちでも無ければ、慈善活動に熱心な私でもない。しかし、どうして他人の私にそんな事が言えるのかと心の中でモヤっとした。

けれど、平和な未来を願って犠牲を払って頑張っている人がいると思うと、少しばかりだけど支援しようという気持ちになった。

今まで募金とか寄付に関心はあったけど実際やったことがなかった。自分の生活費のことしか考えられなかった。けれど、自分の国は社会に貢献すれば少なからず還元してもらえる。言うならば、社会人になって会社で働けば保障されている場合がほとんどだ。

仕事を辞めて、ニートとなった私でさえ、食べていけるお金があることが幸せなことなんだと気付かされた。

こんなご時世に街頭に立ってまで頑張っている人に、私は心を動かされた1人だ。WFPの活動だけでなく他の支援団体でも、ひとりひとり、コツコツと努力すれば、目標実現がそんな遠くない未来に待っているのかもしれない。

今こそ、助けが必要な人に手を差し伸べて、お互いを支え合う世界が続きますように。


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