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13年目のネタばらし -スリと罰-

昨日、ふと「今、あの子達は・・」と、ぼんやり考えていました。

”あの子達”とは、2008年、14年前・・バルセロナの地下鉄で私の財布を掏(す)ろうとした女の子二人組です。当時の年齢は、おそらく10~12歳くらい。どこにでも居そうな普通の女の子達でした。ある駅で視線を感じ、その子達を目視していました。乗り換えの駅でも視線を感じ「あれ?またあの子達・・」と。「日本人が珍しいのかな?」と思いつつ、目的地まで数回乗り換えをしていましたが、その度に「ん?また?」・・違和感を感じていましたが、移動の疲れもあり「まあ、いいか・・」と思う程度でした。

すると同行していたS君が小声で「タテさん・・後ろ・・」と。扉のガラスに映る自分の姿を見ると、真後ろにあの女の子達が・・。そう思った瞬間、後ろのポケットに入れておいた財布が、す〜っと動く感覚が。「おいっ!!」と思わず日本語で怒ってしまいました。同時に次の駅で女の子達は降りてしまい追いかけることも出来ず。

逃げる彼女達のキャッキャした笑顔は今でも脳裏に焼きついています。

日本人4~5人で動いていたこと、大荷物だったので旅行者だと思われたこと、大きなリュックでお尻が隠れているから財布をポケットに入れておいても大丈夫とちょっと油断していた私・・様々な要因で狙われてしまったのでしょう。

バルセロナにスリが多い事は、その数年前に一度仕事で訪れた時に思い知らされました。現地で合流した日本人の関係者数名が被害に・・。1人は食事中に横に置いておいたバッグを盗まれ、もう1人は撮影中だった一眼レフカメラを無理やり奪われそうに・・。他にも聞いた話では、団体旅行で訪れていたツアーガイドさんが襲撃されたと。そのガイドさんは全員のパスポートを預かっていました。そんな手口が当時は流行っていたそうですが、それにしても、なかなかな街でした。観光地あるあると言えばそれまでですが。確かに、現地の人と街を移動中、路地に入った瞬間「・・NUE、一眼レフカメラを隠せっ」と言われました。

別の国で緊張感のある街を訪れたことはありますが、バルセロナのスリは容赦なく、えげつないくらい大胆です。ただ・・そんな小さい女の子・・子供達が・・と思ってしまいました。服装から察するに、そこまで生活に困っているようには見えなかったので、もしかしたらゲーム感覚のスリなのかも知れません。所謂”遊ぶお金欲しさ”。

間一髪だったので良かったですが、やはり最大限の注意は必要です。改めてですが・・S君、その節は有難うございました。

その子達は・・普通に生きていれば、20代前半だと思いますが「どんな人生を送って、今、どんな女性になっているのかな?」と。立派な大人に成長していることを心から願います。


2008年のバルセロナはDJで行かせて頂きました。同じプチツアーでイギリスのマンチェスターでもPlayが出来て良い経験になりました。憧れのマンティスターで・・。基本的にヴァイナル中心でDJをしますが、数枚のCDも持参し、最低でもターンテーブル2台とCD-J1台、DJミキサー1台があれば、どこでもPlayが出来ます。「今日はヴァイナル中心にPlayします!」と会場に行ったらターンテーブルが無くCD-Jオンリーだったり、「今日は・・CDで!」と会場に行ったらCD-Jが無く、ターンテーブルオンリー・・そんな修行もさせてもらえました(苦笑)。前者の話は、バルセロナ初日のイベントでしたが、それでもガッツリ60分。日本では考えられない話ですが、妙なスイッチが入ってしまい、良いPlayが出来たと自負しています。

会場に入って(あるギャラリーの半地下にあるイベントスペース)セッティング、音出し、簡単なリハをしている時の現地のスタッフの冷ややかな眼差し・・それもスリの女の子達の笑顔と同じくらい鮮明に脳裏に焼き付いています。「ん?日本人を小馬鹿にしているな・・こいつら」とビンビンに感じていました。ターンテーブルが用意されていなかったことで、正直・・ブチ切れていましたので(苦笑)。

結果的に、その”ブチ切れ”がPlayの集中力を高めてくれ、DJが終わった瞬間、ギャラリーのオーナーが「凄かった!!お前のCDと俺の絵を交換しないかっ?」と。私は心の中で「お前・・始まる前まで小馬鹿にしていたろ」と思いましたが、仕方なく交換してやりました。他にも旅行でブラジルから来ていた男性も興奮気味で、うふふな気分でした。

内緒の話ですが、その時のPlay動画の一部がYou tubeにアップされています。


その翌年2009年、1枚の作品をリリースしました。

盤面デザインには、バルセロナで撮った写真をネタに。

リリースから13年経過したので、ちょっとだけネタばらしの話を。元の写真はこちらです。

グエル公園近くで撮った1枚。監視カメラの多さが治安の悪さを感じさせてくれます。この一帯は・・こんな感じでした。

監視カメラ付近は・・

ここは、ちょっと小高いところで、振り返るとこんな景色です。

そもそもここをどうやって発見したのかと言いますと、グエル公園からチラッと見えました。

中央にグラフィティが見えると思います。その脇にはネタに使った監視カメラが・・。

・・その後が気になったので・・Googleマップで調べてみました。

14年も経過すれば・・様変わりします。ちなみに、グラフィティがあった場所は下記の地図の赤い楕円形で印を。星印は監視カメラがあった場所です。

4年後、2026年・・ガウディ没後100年に完成予定の『サグラダ・ファミリア』。スリに注意しつつ、また行こうと計画しています。『サグラダ・ファミリア』には、とんでもない暗号も隠されていますので、その答え合わせに・・。”ガウディ・コード”、ゾクゾクします。そして、完成と同時に・・一体何が起こるのでしょうか?

サグラダ・ファミリア・・・日本語で「聖家族贖罪(しょくざい)聖堂」。ラテン語で、サグラダは「聖なる」、ファミリアは「家族」・・・

細部の彫刻を見る為に・・新しいカメラを買ったと言っても過言ではありません。

今日は久々にコレを聴きつつ作業をしたいと思います。

ちなみに、このmixをリリースした日は、2009年4月16日。

昨日、ふと「今、あの子たちは・・」と、ぼんやりと考えていました。

そんな昨日は・・5月16日。リリースから13年と1ヶ月。これが4月16日だったら、丁度13年で鳥肌モノだったのですが、1ヶ月ズレていました。

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