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アヒルの控室

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説明の面倒くさい性的指向とバイクとキャンプとオタクな人の書き散らしです
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#セクシュアリティ

ビアンバーのふんわり思い出二つ目

ビアンバーのふんわり思い出二つ目

――この界隈ではね、本当の名前を教えちゃいけないよ。

二十歳になって初めてレズビアンバーに足を踏み入れた時、最初に教えてもらった言葉だ。

実際どれくらいの人が実践してるのかはわからない。けれど、一定数本名とは思えないようなニックネームを名乗る人もいたから、そういう考えもあるのだと思う。

今思えば不思議な場所だった。

あそこは外ではさらけ出せない自分が解放される場所だった。

いろんな人がい

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二十歳の私とビアンバー

二十歳の私とビアンバー

私に三十歳は来ない。

そういう漠然とした確信が昔からあった。だいぶ薄くなったとはいえ、今でも少し残っている。

いわゆる私は性的マイノリティとか言われる人。付き合ってきた人は同性である女性が多かった。

幸い環境には恵まれたから、似たような立場の同年代はいっぱいいた。

けれど、そのもっと先の……自分の父や母くらいになった当事者たちをすぐ近くで見たことがなかった。

東京にはたくさん存在すること

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