夜が更けて、饒舌になる妻。
#20240221-360
2024年2月21日(水)
お昼寝ならぬ、お夕寝はしないほうがいいとわかっている。
それでも、夕食の後片付けが終わり、取り込んだ洗濯物を畳むと気が抜ける。
さっさと入浴を済ませてベッドへ行けばいいものを、ノコ(娘小4)が宿題をしているとそうもいかない。「わからない」といえば教えねばならないし、丸つけをせねばならない。
まだ暖房とホットカーペットが活躍するこの季節。
お尻がホコホコあたたかいと瞼が重くなり、横たわりたくなる。
早朝出勤だったむーくん(夫)がソファーでうたた寝なんてはじめたら、もう抗えない。
「ノーコーさーん、宿題終わらない? まだ寝れない?」
壁掛け時計を見やると、23時。
どうやらノコが寝た後に気絶したらしい。あと少しとスマートフォンを手に取り、10分後にアラームをセットする。それを繰り返し繰り返し繰り返すと、あっという間に日付が変わる。
ぬくぬくのホットカーペットの上で思い切り伸びをする。
ソファーで寝ていたむーくんがいつのまにか起きていて、TV画面でゲームをしている。むーくんは明日休日だ。
私はのそのそと入浴の支度をする。
そして、深夜にひとり湯に浸かる。
熱めの湯に入っていると、次第に目が覚めてくる。
風呂から出る頃には、頭が冴え冴えとし、私はゲームをしているむーくんに向かって喋りはじめる。
6ピースチーズみたいにさ、手首のあたりにテープがあって、それをピーッと引くと、薄皮が1枚はがれたらさ、お風呂に入らなくていいと思うんだけどね。いざ、お風呂に入ると、気持ちよくて、やっぱり薄皮1枚脱げばいいわけじゃないと思うんだよね。
海外で暮らす日本人って少なくないはずだけど、湯舟に浸かれない生活に慣れるものなのかな。湿度とか気温とかが違うと、シャワーでも平気なんだろうか。日本の気候だからこそ、湯に浸かる心地よさがあるのかなぁ。
たとえばさ、日本でお湯に浸かる気持ちよさを知った外国の人が自国に帰ってお湯に入ってみたら、「なんか違うなぁ」って思うのかなぁ。
そうそう、「具体⇄抽象」っていう本(*1) を読みはじめたのね。
30歳前頃にある数学者さんのBlogを読んでたんだけど、数学者のあいだでのジョークで「もっと抽象的に話してください」っていうのがあったの。
それまでも、私は抽象画って好きだったんだけど、母や周りに「抽象画はわからなくて嫌だ」といわれてもうまく説明できなくてもやもやしてたんだ。でも、そのジョークを知って、抽象ということがストンと腑に落ちたんだよね。もう目から鱗だったんだ。
でさ、そのジョークが実は数学者の吉田耕作さんっていう人のエピソード(*2)だっていうことが、その本にあって。
20年くらい振りになる?
その話と再会して、「おおおおお!」って嬉しくなってさぁ。
でね、その本にサピエンスーーえっと人間がほかの動物と違うのは虚構を信じてるっていう話も出てきてね。これは「サピエンス全史 (*3)」からなんだけど、この本もうちにもあるから、あぁ!って思って。
「具体⇄抽象」は読みはじめたばかりだから、まだうまくいえないんだけど、出だしの部分でもうおもしろくてね。ふふふ。
そういえば、このあいだのストーリーテリングの実習でほかの人が語った物語にね。
自分でもかなり饒舌になっているのがわかる。
お夕寝後の入浴から出てくると、私はたびたびこうなる。
夜中の2時、3時だというのに次から次へと喋りたいことが浮かび、それをそのままむーくんに向けて口にしてしまう。
むーくんはゲームをしながら聞いているので、どこまで真剣に聞いているかはわからない。
ただ口許が笑っている。
時折、TV画面から目をそらすと、深夜に喋りまくる妻に生ぬるいまなざしを向ける。
*1:細谷功「『具体⇄抽象』トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問」(PHPビジネス新書)
*2:吉田耕作(1909-1990)日本の数学者。関数解析学と確率論を専門とする。
*3:ユヴァル・ノア・ハラリ原案・脚本「漫画 サピエンス全史 人類の誕生編」(河出書房新社)
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