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シーソーモンスター ~嫁姑問題と思いきや?~

写真は、名古屋市・戸田川の夕暮れ。周りには入場無料の、
「とだがわこどもランド」がある。だだっ広い芝生広場や一部
を除き無料の遊具が数多く用意され、名古屋市民の憩いの場と
なっている。
http://www.todagawa.jp/facilities

本日のお題は、中編(と言ってもストーリーがつながっている)2作
を収めた伊坂幸太郎の「シーソーモンスター」。後半のスピンモンスター
で、川が謎を解く鍵の一つで登場する。

まずストーリー展開の意外性。
ネタバレになるので詳しく書けないが、家庭内問題のはずが、
あれよあれよと言う間に国際問題まで発展。間に挟まれた夫の
苦悩は、同情しつつも笑ってしまう。

次に「螺旋プロジェクト」の一環であること。
唐突に「海と山」の対立、というサブストーリーが出てきて若干戸惑う
のだが、最後に「螺旋プロジェクト」紹介の付録?が付いており、複数
の作家による時系列を追ったプロジェクトであることで納得。この
中編2作は、「昭和後期」と「近未来」を扱ったもの。前者は読んでいて
(ある年代の方は)懐かしさを感じるだろうし、後者は、ターミネーター
でもお話したシンギュラリティ※をテーマとしている。
※AIが人類の知能を上回る状態

さらに2作の絶妙なつなげ方
昭和後期で嫁として登場する人物が、近未来でも重要な役割で登場。
子供まで登場し両作をつなげていく。連続性を感じ、1冊の本として
うまくまとめている。

螺旋プロジェクトはこの本で初めて知り、また一つ読書の楽しみが
増えた。次は両作の間の、「平成」(死にがいを求めて生きているの)
を読んでみたい。
https://www.chuko.co.jp/boc/spiral.html

お茶うがいの輪を広げてコロナを収束させたい!
https://note.com/from_free/n/n406bc5302094
https://note.com/from_free/n/n98097eb72720


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