高橋(往来堂書店)

千駄木の往来堂書店で文芸・文庫・海外文学・食カルチャー棚を担当しています。 アイコンは…

高橋(往来堂書店)

千駄木の往来堂書店で文芸・文庫・海外文学・食カルチャー棚を担当しています。 アイコンは元スタッフの藤崎さん https://twitter.com/lila_fs_ に描いていただきました。 ご連絡はこちらまで→froggoeshome@gmail.com

マガジン

  • 感想

    買った本や、発売前に出版社さんからいただいたゲラやプルーフなどの感想を綴ります。核心的なネタバレは避けておりますが、内容には多少触れますので未読の方はご注意ください。

  • 生活 with カラマーゾフの兄弟

    『カラマーゾフの兄弟』を読んでいるあいだの、生活の記録です。

  • 複雑な世界の歩き方を知る

  • 源氏、読むしか!(仮)

    古典の素養がない二人が『源氏物語』の完読を目指す企画です。「光る君へ」の話をしたりマンガの話をしたりと脱線しつつ、ゆるゆるとお喋りしていきます。月二回更新予定。

  • 生活 with 本屋大賞

    本屋大賞のノミネート作を読み進めているあいだの、生活の記録です。

最近の記事

友人が始めたウェブメディア「応答」に寄稿しました! https://note.com/ohtoh/n/n397376557abb

    • タマネギみたく|高瀬隼子『新しい恋愛』感想

      歳を重ねるごとに、知識や経験が蓄積され、思考のレイヤーがだんだん外側に広がっていく。見えるものが増えていき、感じとれるものも多くなっていく。大人になるということはそういうことで、それはいいことだと思っていたのだけれど、恋愛のことになると逆に、視座が高まるにつれて足場が狭くなっていく感覚がある。 一日中そのことだけを考えて、考えているだけで楽しい、そんな恋愛をしていた学生時代の熱量は何処へやら。社会に出て、すでに「大人」になった人たちに触れると、仕事とか健康とか結婚とか資産形

      • 【#001-後編】すごいぞ、平野啓一郎の小説は。 読書会企画「複雑な世界の歩き方を知る」|課題図書:平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

        「複雑な世界の歩き方を知る」は、30代を目前に控えた悩める労働者、高橋、イワイ、チャプ太郎(以下チャプ)の三人が毎回一冊の本をテーマに、脱線したり自らの人生に引き寄せたりしつつ、これからの生き方について模索していく読書会企画です。 ※この記事は「後編」です。「前編」はこちら。 読んできた平野作品について 高橋 今回、それぞれ別の平野啓一郎作品を読んできたんですよね。発表年の順に追っていければと思います。それでは、チャプ太郎さん担当の『空白を満たしなさい』から。 『空白

        • 【#001-前編】分人ってなんだ? 読書会「複雑な世界の歩き方を知る」|課題図書:平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

          「複雑な世界の歩き方を知る」は、30代を目前に控えた悩める労働者、高橋、イワイ、チャプ太郎(以下チャプ)の三人が毎回一冊の本をテーマに、脱線したり自らの人生に引き寄せたりしつつ、これからの生き方について模索していく読書会企画です。 収録日:2024年2月24日 池袋のレンタルルームにて 「はじめまして」ではない自己紹介 高橋 それでは、よろしくお願いします。今さら自己紹介する間柄でもないんですが、いちおう。今回の発起人、高橋です。千駄木にある往来堂書店で働いています。そ

        友人が始めたウェブメディア「応答」に寄稿しました! https://note.com/ohtoh/n/n397376557abb

        マガジン

        • 感想
          3本
        • 生活 with カラマーゾフの兄弟
          6本
        • 複雑な世界の歩き方を知る
          2本
        • 源氏、読むしか!(仮)
          3本
        • 生活 with 本屋大賞
          6本

        記事

          源氏、読むしか! (仮)#1-後編 「もてはやしたいという欲求」

          前編はこちら↓ 「帚木」高橋 ほい、お次は「帚木」ですね。どうだい、なんか言いたいことありげだけど。 ばら うーん…結構読むのキツくてね。権力を持った男たちが女を品評するっていう構図がふつうにイヤ。 高橋 そうね。貴族社会にしては俗っぽすぎるというか。 ばら 逆に、キャラクターにそこまで語らせる紫式部ってすげえぞ…!とも思ったけど。 高橋 たしかにね。そう、それで言うと、ひとつ挙げておきたいトピックがあって。光源氏と頭中将が喋ってて、そこに左馬頭と藤式部丞がやってく

          源氏、読むしか! (仮)#1-後編 「もてはやしたいという欲求」

          源氏、読むしか! (仮)#1-前編 「光る君へ」にハマるふたり

          登場人物紹介高橋 東京在住。往来堂書店の文芸・文庫・海外文学・フードカルチャー棚担当。 最近の悪癖は、深夜にたこ焼きを焼き始めること。 小腹(以下「ばら」) 京都在住。イラスト・デザイン業。 つい毎日カフェに行ってしまう。おのれ、京都め…。 収録日:2024年1月29日 課題範囲=「桐壺」「帚木」「空蝉」 近況報告etc…高橋 さてさて、いよいよ読み始めたわけですが、最初の感触としてはどんな感じかしら。 ばら 今のところ「ハマってる」って感じではなくて。でも、大河の

          源氏、読むしか! (仮)#1-前編 「光る君へ」にハマるふたり

          源氏、読むしか!(仮)#0

          登場人物紹介高橋 東京在住。往来堂書店の文芸・文庫・海外文学・フードカルチャー棚担当。 小腹(こばら。以下「ばら」) 京都在住。イラスト・デザイン業。 最近BLを2000冊読みました。『のみものZINE: なくてもいいもの』秋に新刊が出ます! (収録日:2024年1月12日) ふたりの『源氏』現在地高橋 まず現時点でお互いどれくらい知識があるのか、把握しておきたいね。 ばら 高校の古典の授業でやったくらいかなあ。 高橋 同じく。でももうほとんど覚えてないね。光源氏と

          源氏、読むしか!(仮)#0

          【往来堂書店】2023年文庫売上冊数ランキング

          11月半ばから文京区のPayPayキャンペーンが始まり、そのまま年末の繁忙期に突入したおかげでずーっとひいひい言っておりましたが、クリスマスも終わり出版流通も年末休みに突入したので、ようやく落ち着いて仕事に取り組めます。まあ、年明けからまた忙しくなるので束の間ではありますが……。イベントの準備やらフェアの準備やらなんやらかんやら、溜まりに溜まったタスクをひとつずつ片付けています。 さて、年末といえば振り返りです。どうですかみなさん、振り返っておられますでしょうか。そうですよ

          【往来堂書店】2023年文庫売上冊数ランキング

          【感想】ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』百万年書房

          選択するということは、なにか取り返しのつかないことのようにも思えるし、とてもエネルギーの要るアクションだ。結果の責任は選択にのみ委ねられている気すらする。 といってもその規模感はさまざまで、日常生活の身の回り、なにを着てなにを食べどこに住むのか、というミクロな選択から、どの学校に進んでなにを学び、どの会社に入るか、という人生の岐路となる選択まで、私たちは常に選択し続けることで生きている。しがらみはあっても結局は自分の判断で、なにを選んだっていい。 しかし私たちはそんなとき

          【感想】ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』百万年書房

          生活 with 本屋大賞 第六週(終)

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【36日目】 2023年2月24日(金) さすがにくったりぐったりで珍しく10時近くまで布団に篭っていた。午前中は部屋の片付けや洗い物等々をゆっくり片付けてThe生活という趣き。日々の雑事を淡々とこなしていくこの時間が好きだ。机につくと、手始めに昨日読み終えた『月の立つ

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第六週(終)

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第五週

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【29日目】 2023年2月17日(金)昼過ぎからのシフトなので午前中はのんびり過ごした、まだ本を開く気分じゃないようだ。掃除をしたりYouTubeをみたり日記を書いたり。生産性という言葉はあまり使いたくないが、実りがないといえばそうだ。いつも通りの他愛ない生活。でもそ

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第五週

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第四週

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【22日目】 2023年2月10日(金)カーテンを開けるとしんしんと降る雪が目に入った。少なくとも昼頃までは降らないと思っていたのでこれは計算外だし、「しんしんと」なんて呑気に言えてしまう自分にも驚いた。午前中のうちに買い物に出るつもりだったけど予定変更、家で本読んでい

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第四週

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第三週

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【15日目】 2023年2月3日(金)寝坊。午前休で助かった。たくあんをかじりながら、昨日買った『たくさんのふしぎ』を眺める。稲川淳二の字、デーブスペクターの字、顔真卿の字。手書き文字はどんどん面白いしもっといろんな人の字が見たい。それにしても『たくさんのふしぎ』の徹底

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第三週

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第二週

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【8日目】 2023年1月27日(金)かつてなくゆるい朝、八時まで布団にいた。朝ごはんを食べて『爆弾』をゴリゴリ読み進めていると、休日の妻が新宿まで買い物に出るそうで見送る。せっっかくひとりだしとアコギをぽろぽろ弾いているとDTM欲がふつふつと湧いてきて、オーディオイン

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第二週

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第一週

          本屋大賞の二次投票に向けて、ノミネート作を順に読んでいく過程の日記です。各作品、極力内容には深入りしないように書いておりますので、未読の方もご心配なく。本屋大賞をみんなで盛り上げていければと思っております。 【1日目】 2023年1月20日(金)寝不足は解消されないまま夜が終わった。夜よりも朝のほうが活動するには向いている、それはわかっているのだがなぜこうも夜更かしばかりしてしまうのか。悪い循環はなかなか断ち切れない。

          ¥300

          生活 with 本屋大賞 第一週

          ¥300

          生活 with カラマーゾフの兄弟 後日譚

          そんなわけで無事『カラマーゾフの兄弟』の完読に至りました。10月12日から読み始めて11月23日に読み終えたので、トータルで43日ほどかかったようですね。一日で100ページくらい読み進めた日もあれば何日も開かない時期もあったりして、非常にマイペースな読書ではありましたが、それでも最後まで読み通せたのは、ひとえにこの作品の面白さゆえ。 ——と言ってしまえれば格好はつくのですが、実際はやはりこの日記の存在が大きかったと感じています。読んで、書く、読まなくても、書く。読む行為の次

          生活 with カラマーゾフの兄弟 後日譚