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第1回 「フレーベル館ものがたり新人賞」が求めていること

編集 A   はじめまして。フレーベル館ものがたり新人賞事務局の中の1人、編集部のAです。
児童書作家としてデビューしたい、と思っている方々へ役に立ったり、立たなかったり、という記事を綴っていけたら……と急に思いつき、不定期連載の記事を公式フレーベル館児童書noteに公開することにしました。

モノくん 急すぎるんじゃない? それに役に立つ記事を提供しないと……。
あ、みなさん、はじめまして。事務局のマスコットキャラクターであり、本連載のアシスタント、モノくんです。よろしくお願いいたします。

編集 A   役に立つか立たないか、それぞれの人の心による……のではないかな。

モノくん そうかもしれないけれど、がんばっていこうよ。まずは賞の紹介をしたらどうかな。

編集 A ですね! 本賞は、フレーベル館創業110周年を記念し、2017年に創設した児童文学登竜門の賞です。 2018年に第2回、それから隔年開催となり2020年に第3回。そして、今年、第4回を迎えました。応募作品の〆切は2022年9月2日(金)です。どしどしご応募ください!

モノくん まだまだひよっこの文学賞だね。これまでどのくらいの数が集まってたの?

編集 A 応募作品はこれまでのところ、各回200点前後。詳しくは公式HPをご覧あれ!


モノくん ふむふむ。デビューしたい人にとっては狙い目!の賞じゃない。

編集 A 点数はまだ少ないけれど、児童文学作家を志すみなさまの熱意をより一層感じられるようになってきました。第1回大賞受賞作家の蓼内明子さん、第2回大賞受賞作家の村上雅郁さん、第3回大賞受賞作家のはんだ浩恵さんのおかげではないかな、と。ひよっこの賞でも、多くの業界人からも注目されている……と噂に聞く……ような。

モノくん ところで、選考会ってどうしてるんだっけ。ボクはそのへんは知らなかったりする。シークレットだもんね、選考中は。

編集 A じゃあ、教えられる範囲で。第一次選考は編集部のメンバー全員で行うんですよ。年齢や性別などのバイアスをなくすため、最終選考まで、応募者の個人情報はふせ、作品名とあらすじ・作品だけで選考します。
第一次選考を通過した作品は第二次選考、最終選考と選考を重ねて、大賞が決まります。
事務局はすべての選考会に立ち会うので、それぞれの選考委員の方々のご意見を伺うのは、とても勉強になるんですよ。

モノくん 毎回、意外な作品が大賞作になるってこと?

編集 A  うーん……と言うか、先生たちは作品そのものだけじゃなく、その作家の将来性について、かなり真剣に話し合われるんです。作家としての資質を見られているんだな、と同席していていつも感じてます。

モノくん でも、年齢とか性別とか個人情報は明かさないんでしょ?

編集A もちろん。だから、作品からその作家の将来性を見てる、それがすごいな、と。完成度の高さだけでなく、なにか光るもの、あと作家の思想は作品に現れるから、それらを読みこんでいらっしゃるのですよ〜。

3作_大賞02

左から第1回大賞受賞作『右手にミミズク』蓼内明子、第2回大賞受賞作『あの子の秘密』(ハロー・マイ・フレンド改題)村上雅郁、第3回大賞受賞作『ソラモリさんとわたし』はんだ浩恵

モノくん 将来性って、作家として活躍し続けられるか、っていうことだよね。

編集 A  そう。大賞を受賞してデビューするのは、ゴールじゃない、はじまりなんです。応募者の皆さんの目標設定は、「受賞すること」というのはわかります。デビューするチャンスですから。けれども、デビューして本を出版することはゴールじゃないのです。
1作書いて本にして、終わりじゃないんです。次々に書いていける、前作を超えるように書いていけることが作家の才能だと思っています。才能、だと簡単に言ってみましたが、相当な努力がなければ、書き続けられないし、前作を超える作品を生むことは難しいと思います。

モノくん 才能と努力……なんか不安。

編集 A  でも、大丈夫。2作、3作と書き続けられるように、担当の編集者が伴走します。けれど、その作家さんにポテンシャルがなかったら、いっしょに走れない。
スタートしてからのほうがきびしいですよ。作品がどれだけの読者に届いているのか、評価されているのか、など実績もついてきます。数字的な部分も含め、出版の現実はいろいろきびしいんです。
それでも、今を、未来を生きる子どもたちに向けた、まばゆい物語を書き続けられる人を発掘したいんですよ、事務局は!

モノくん 今を、未来を生きる子どもたちのための本、児童書を書くってなんか難しいように思うけれど、どんな人が向いている、とかあるの?

編集 A クローゼットを開けて洋服をかきわけるとき、いまでもときどき、「奥に異世界への道がつながっているんじゃないか」と思ったり、ミシンが立てる音が「たったかたあ」と聞こえたり、ラッパのファンファーレに「テレレッテ、プルルップ…」と節をつけたり。
子どものときに児童書からもらったみずみずしい風景や音が、おとなになったいまでも、自分のなかに息づいていると感じる瞬間——児童書を書きたい、と思っている方々には、きっとそういった原体験があるからこそ、子どもたちのための物語を紡いでいけるのではないのでしょうか。

モノくん フレーベル館ものがたり新人賞」は、そんな感性から生まれた作品をお待ちしています。

編集 A 覚悟も必要です。今度は書くときのコツみたいなものをモノくんとお話しできたら。
あと応募前にいただいているQ&Aのあるあるも綴りたいですね。

モノくん 第4回、ご応募、待ってるんだモノ〜!

編集 A  よろしくお願いいたします。



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