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2023年4月のおすすめ電子書籍

みなさんこんにちは!
そして初めまして!
フレーベル館のいなおかです!

今回から電子書籍のご紹介担当を、前任のモリモトより受け継ぎました。
もともと絵本の編集者をしていましたので、
子どもたちに読んでもらいたい絵本、を作ってきた私ですが
電子書籍を子どもと読むのってちょっと難しいですよね?
そこで私からは「大人が読んでも楽しめる電子絵本、読み物」を
皆さんにご紹介できたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

まぎれもない名作『手ぶくろを買いに』


さて、みなさま、名作の絵本ってたくさんありますよね?
何かタイトルは思いつきますか?
「タイトルは思い出したけど、内容はちゃんと覚えてない」という
絵本って多くないですか?

ということで、いなおか初回のオススメ電子書籍は
『手ぶくろを買いに』です!

この作品、童話作家としても有名な新美南吉が1933年に執筆した作品です。
今から90年前なんですね!
それでも今なお愛されるのは、
子どもも大人も関係なく
多くの人たちに刺さるお話だからでないでしょうか?

内容ちょこっと紹介

きつねの親子が住んでいる森に、冬がやってきました。
初めて雪の中をおでかけして、手が冷たいという子ぎつねのために
お母さんぎつねは手ぶくろを買ってあげようと考えます。

ある夜に二人で町に向かいますが、
お母さんぎつねは子どもの頃に人に追いかけられた記憶から
どうしても町に行くことができません。
そこで子ぎつねだけを行かせることにし、
子ぎつねの片方の手を人間の手に変えます。
「町に着いたら帽子屋さんを探しなさい。そこでトビラを少し開けて
人間の手を少し入れて『この手にちょうどいい手ぶくろちょうだいと言いなさい』」
と教えてあげます。

町についた子ぎつね。無事に手ぶくろを買うことができるでしょうか…?

おすすめポイント①:お母さんぎつねの気持ちに共感できる!

初めてみる雪で手を赤くした子ぎつねを手に
はぁーっと息を吹きかけてあたためてあげたり、
街に行った子ぎつねの帰りを、
いまかいまかと寒い中震えながらも待っていたり、
子どもを愛おしく思う親の気持ちが、
とても丁寧に描かれています。

描かれるのは子どもと大人の関係性ですが、
そこにある「誰かを愛しく思う気持ち」は
全ての人が共感できると思います。

おすすめポイント②:美しい言葉・イラストに心が洗われる!

“えだとえだの間から白いきぬ糸のように雪がこぼれていました。”
“暗い暗い夜がふろしきのようにかげをひろげて”
“その足あとには、コバルトのかげがたまりました。”
などなど、
情景が目に浮かぶだけでなく、
その光景をとても美しい言葉たちで表現しています。
まさに「読む癒し」とでも言えるのではないでしょうか?

さらに絵本のいいところは
それらをイラストで視覚的にも楽しむことができるところ。
牧野鈴子さんの描く繊細なイラストが
物語に深みを与えています。
あたたかい光とそれを際立たせる美しい夜のコントラストは
「見る癒し」と言っても過言ではありません。

語り尽くせない良さがある!

リアルの絵本もいいですよね〜

ここまでとうとうと書き連ねてきましたが
まだまだ紹介できていない良さがあります。
特にラストのお母さんぎつねのセリフは
ただ美しいでは終わらない
新美南吉からの問いかけなのでは?
といなおかは感じてしまいます。

皆さんもぜひ今一度『手ぶくろを買いに』を読んでみてください!


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