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【読書感想文にも!】この夏読んでもらいたいおすすめ電子書籍①

みなさん、こんにちは!
フレーベル館のいなおかです。

列島各地で猛暑日が観測され
夏が本気出してきた〜という気温になってきました。
熱中症はどんな時も起こりうるので
体調にはくれぐれもお気をつけて…。

さて、子どもたちは待ちに待った夏休みが始まったかと思います。プールに海水浴、花火大会に夏祭り、テーマパーク、おじいちゃんおばあちゃんの家、キャンプ、児童館、旅行など、やりたいこと・行きたいところはたくさんあるはず!
しかしちょっと待って!親としてはしっかりとお勉強もして欲しいものですね。宿題もたくさんあるはずだし、自由研究はじっくり取り組む時間が必要だし…
そして意外と苦戦するのは「読書感想文」。
どうやって本を選べばいいかわからない〜、読みたい本が見つからない〜という子どもたちのため、フレーベル館から刊行している【読書感想文にも!】この夏読んでもらいたいとおすすめする書籍をご紹介したいと思います!


【回文がつなぐ友情】 『なかまカナ

1冊目にご紹介するのは『なかまカナ?』です。
対象年齢は小学校中学年から。こちらは「2023年 第56回夏休みの本(緑陰図書)」にも選定されている読み物です。

主人公である小学4年生の栗田陸(くりたりく)はちょっと内気でなかなか自分のことを表に出せないタイプ。対して仲良しの”池ちゃん”こと池田圭(いけだけい)は負けん気が強く、せっかちで、一度こうと決めたらすぐにでもやらないと気が済まない。そんな2人のクラスに転入生がやってきます。名前は「武藤トム(むとうとむ)」。アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんを持つ彼は、明るく誰にでも分け隔てなく接する陽気な気質。性格も見た目も異なる3人は、トムが大好きな「回文」をキッカケに「回文トリオ」として仲良くなります。
トムが自己紹介で「はい、ドーモありがと。よろしくしろよ」と言ったり、表裏逆に着てしまっていたシャツを「まさかさかさま!」と気づいたりと、いたる所に回文が散りばめられていて、いつの間にか読んでいるこちらも回文を考え始めていたり!?
回文を通して育まれる友情の物語です。

注目して欲しいところは、トムとの出会いで陸が今までにない視点を手にいれ、それを自分のものとしていくところ。
夏休みの学校のプールで人の目を気にしないトム。運動会で男女関係なく全力で応援するトム。考え方も感じ方も全く違うトムを通して、陸は色々な発見をします。その度に陸はゆっくり自分の中でそれを噛み砕き、自分の言葉にして理解していきます。そうして少しずつ、周りから見たらわからないかもしれないけど、自分の中の自分が少しずつ変わっていっていることを自覚しながら成長していく様子は、読んでいるこちらも応援したくなります。

内気だった陸がちょっとずつ変わっていく際の、その心情がリアルに描かれているところもポイント。自分と誰かを比べて相手を羨ましく思ったり、うまく表現ができないことをもどかしく思ったりと、ただ前向きなだけではない、等身大の子どもたちの機微が描かれています。

異文化理解や自己と他者の関係など、色々な観点から読書感想文を書いてもらえるのではないかと思います!

最後に、陸が確かに変わる自分を表現した印象的な一文をお送りします。

“ぼくはべつに、池ちゃんみたいに力が強くなったわけでもないし、トムみたいに、明るくて、人気者になったわけでもない。
 むしろ、みんなからしたら、なにも変わっていないかもしれないけど──。
 ぼくにだけは、わかるんだ。
 ぼくの頭のなかが変わったってことも。気持ちが変わったってことも。
 だって、今のぼくは、特にじまんできるようなことがなくても、ぼくがぼくのいちばんの味方でいたいって、思うことができるから。
 それって、すごいことだよなって、ふふんって思いっきり、むねをそらした。”

なかまカナ?
新井爽月


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