見出し画像

趣味の数学遍歴


素晴らしい数学世界

私は心の底から数学を愛しているのですが、ノンプロであり、仕事上でも殆ど使ったことがないです。数学のことを誰にも話す機会もないし、一生このままかもしれないと思っています。
誰とも共有出来ないことなら辞めてしまいそうなものですが、一人で黙々とやっています。
数学こそ自由の具現化と感じており、何者にも縛られないその解放感がたまらなく好きなんだと思っています。
・・・多分一般的には真逆の反応で、数学こそ不自由性の象徴と感じる方も多いと思うし、その感覚も分かりますが、本当の自由とは制限された上にあります。例えば殆ど何の制限もないものが与えられた場合、それを人間が扱う時は残念ながら権威が生まれます、人を見て正誤を決めてしまうその光景はさながら猿山で不自由でしょう。数学の制限は「論理の神に従う」即ち「自分に嘘をつかない」のみですが非常に強力な制限です。しかしそれすら守れば全員公平であり、どんな発言も許されます。故に自由なのです。

学部1〜2年時代

・・・とは言え数学を好きになったのは学部3〜4年くらいでした。
それまでは苦しくて嫌いだったし、一番仲が良かった人には「嫌いだけど腐れ縁みたいなもんで仕方なくやってる」とか言ってた気がします。
そして学部時代は地方国立の教育学部であり、完全に一人独学でやっていました。
この頃やっていたのは「微分積分」、「線形代数」、「集合と位相」、「ベクトル解析」ですね。それと2年生の終わりくらいの頃に3.11の震災があり、被災した私は電気が止まっている中でずっと「ルベーグ積分」の勉強をしていたのは覚えています。しかし、ルベーグ積分について理解できたのは4年の頃ですね。
また、微分積分、線形代数に関しても3年の下半期くらいにやっと理解できました。
一応一年生の9月から一日もサボらず30歳まで数学を続けたのですが、この時代は毎日同じページを開き、毎日同じ文を読んで「分からん、分からん」言っていました。。

学部3〜4年時代

ブレイクスルーを体感し、感動したのは3年生の9月ということははっきり覚えています。
この時期の数学は「微分積分」、「線形代数」、「常微分方程式」、「古典フーリエ解析」、「複素解析」、「ルベーグ積分」、「関数解析」、「超関数」、「古典的な偏微分方程式」、「力学系」などですね。
特に今まで「集合と位相」以外、何を読んでもよく分からなかったのですが、「常微分方程式の理論」を読んだ時に、読めば読むだけ理解出来るという経験をしました。そして、常微分方程式を離れ、復習としてやった微積、線形代数も読んだ分だけ理解出来る感覚でしたね。
このブレイクスルーは毎日やっていて、本当にある月に突然です。こんな感覚があるのかと驚きました。
その時期から「数学を好き」と初めて自覚し、4年生ではゼミの先生とゼミ以外に週2時間マンツーマンで個人セミナーを開催してましたね。読んだのはsemigroupsと呼ばれる理論書です。

修士時代

教育学から理学系の数学に転向しました。そしてsemigroupsの応用をやりたかった私はNavier-Stokesと呼ばれる流体の微分方程式に取り組むことにしました。
修士時代の勉強は1年生の前半の半年のみです。その時に必要に迫られ補間空間の本を読みました。

修士の残りの一年半はひたすら自分のオリジナルの結果を考えていましたね。その時代に本を読んで参考になった試しはないのですが、気分転換に読んでました。
大体は「偏微分方程式系」、「Navier-Stokes系」、「関数解析系」ですね。
この時期は重箱の隅をつつくような研究であまり面白くなかったことは覚えていますが、一応学年50人で1人だけ大学内で講師として数学者数十人の前で2時間の単独講演をしました。名大のアーカイブに残っています。

エンジニア時代

応用数学を読み始めたのはこの時代からですが、すっかりハマってこんなに楽しいなら博士に行けば良かったなと思いました。
物凄く手広く勉強しましたね。
「擬微分作用素」「ウェーブレット」、「画像圧縮」、「情報工学」、「プログラミング」、「ミクロ経済学」、「計量経済学」、「ゲーム理論」、「数理統計学」、「機械学習」。
(・・・でも仕事ではぶっちゃけ頭の回転が悪いのでITエンジニアという職は向いてなかったです。自分が出来ないこととか色々で適応障害になりました。)
しかし、この時代に最も好きな本と最も好きな先生に出逢います。

この本は感動し心震えました。そしてドブシー先生はこの時期からずっと心の師であり、最も尊敬している人です。しかし本の内容はあまり理解して無いです・・・。新井先生の本は隈なく理解しましたが。この本も凄い本です。


〜現在

今は「数理統計学」、「確率過程」、「機械学習」、「大学の物理学」、「その他応用のある数学」。
って感じですね。正直、エンジニア時代まで統計学を理解していなかった(確率変数の概念からしてよく分かっていなかった)ので、統計学をきちんと理解したのはその後です。
しかしきちんと分かると、ここらへんの応用の奥深さにとても魅力を感じるようになり、今はやるのが楽しいです。
現在は理解したいことがあって、それを理解するために場合によっては学び直しとかしている感じです。
院時代から確実に数学の能力は落ちた(※面倒で証明を読みたくないし、実際読んでいない)と思うんですが、モチベーション的に今が一番充実しています。

数理科学の女王

私が10年近く前から勝手に数理科学の女王と決めつけている分野に「調和解析(フーリエ解析)」があります。しかし、この分野は院時代も全く読めませんでした(結果だけ流用していました・・・)。
二大好きな分野として「ウェーブレット」と「数理統計学」があるので組み合わせて下の本を読んでいますがこれは順調ですね。

もはや「抽象的調和解析」に踏み込むことは人生を通しても難しいのかな、と思っていますが、じわじわミックスさせていきたいなと思っています。

数理哲学としてのnote

私が数学を続けていった上で思うのは、数学の裏に哲学が多分に埋まっているということです。
贅肉を削ぎ落とした純粋数学書じゃそこらへんは書いていないです。
・・・かと言って数理的正確性を失った文章もどうなのかなと思います。
哲学というのは価値あるものが何故価値あるのかということです。即ち数理の世界を作成すると定理の数はその世界に無限に入ってきますが、興味というのはその中の1%より遥かに少ない、もっと言うと確率ゼロで存在する定理になります。
私がやりたいのはなるべくここら辺の不文となっている「何故?」を解き明かすことにあり、本質があってれば「間違えても良い」とすら思っています。即ちこう言うのは権威が無い故失うことが無い私にしか出来ない唯一無二の取り組みだと思っています。
勿論そこに価値があるかどうかは皆様方それぞれが判断してもらって構わないです。

スキやフォロー待ってますね♡

この記事が参加している募集

自己紹介

数学がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?