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【小説】テキスト投稿サイト雑感【随時更新】

趣味の小説を投稿しはじめて二年ちょっと。先月から複数サイトへの投稿をはじめたので、雑感を残しておきます(読み専時代とか、もっと前から使っていたところもありますが)。個人的な経験以外にほぼなんの根拠もないので、うのみにしすぎないでね~。

カクヨム

私の投稿プラットフォームの中心。海外生活をしていて日本語の小説が読みたくなったのが小説投稿サイトとの出会いでした。読み専(読み取り専用ファイルのことではない。作品を投稿せず、読むだけの人のこと)だった時代には「小説家になろう」とこのカクヨムでよく作品を探していたものです。当時好きだった作品にカクヨムが多かったので、自作を投稿するときもここを拠点に選んだのでした。TwitterネタからSF大作に出世した『横浜駅SF』やドラマ化した『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』、なろう系を逆手にとったような『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』など、名作も多くておすすめです。

後発サイトだからか、書き手目線だとかゆいところに手が届くような使いやすさがあるが、トップページのランキングが長期にわたり固定化していたり、読み手としては使いにくい部分も。

他サイトとちがう点として、「画像投稿ができない」という特徴があります。書き手としては表紙や挿絵を載せたいけど、読むものを探すがわとしては、意外と表紙は邪魔だったりするので、読み専さんの評判はよかったりする。個人的にはサイト全体で画像なしはカクヨムの個性なのでつらぬいてほしい。

読者が少ないと長年言われてきたが、すこしずつ読み専さんは増えている印象。

【長所】エディタが使いやすい。書き手同士の交流がさかんで、コメントや応援などの反応をもらいやすい。広告のありなしが選べる&広告によるリワード制がある(ロイヤルティプログラム)。ユーザーによる自主企画がさかん。特にSNSに慣れた作家には向いていると思う。
【短所】タグでの検索がしにくく、良作を掘りだしにくい。読みあい・相互評価の文化がさかんなので、評価(☆)の数で期待して読んでがっかりというのも多い。(とくにラブコメ・恋愛・異世界以外のジャンルでは)

参加当初は広告制度がなく、軽くて使いやすかったんですが、広告導入後はサイトが格段に他サイトより重くなりました。海外住みのせいかもしれないけど、そこはちょっと残念です。

小説家になろう

https://syosetu.com/

カクヨムで連載をはじめて一年後くらいから、バックアップもかねてお世話になるようになりました。圧倒的な読者数が売りで、がちがちのハイファンやストレスフルな展開、百万字を超すような大長編でも追っかけてくれるツワモノ読者たちがずらり。そのため、人気ジャンルではなくてもコンスタントに読まれるのがありがたい。いわゆる「なろう系」発祥の地ですが、それ以外の名作もちゃんと書籍化されています。ただ、ライトにしてもヘビーにしてもファンタジーが強いので、それ以外のジャンルでスコップしてもらうのは難しいかも。

系列にR18サイト(男性向けミッドナイト・女性向けムーンライト)があるので、成人向け内容である程度読まれたければそちらへ。ただし「なろう」本体はわりと性表現に潔癖で、アカウント停止はよく聞くので注意。

【長所】まったく読まれないということはまずない。読むがわとしても、好みの作品を検索しやすく読みやすい。相互評価がやりづらいシステムなのが安心。読みがいのある作品を求めるスコッパーの存在。
【短所】読まれている実感はあるが反応がすくないので、更新していてもちょっとむなしい。絵も載せられるのだけど、別サイトに登録が必要だったり、ちょっと操作がはんざつで使いづらい。テキストオンリーでも問題なし。

余談ですが、放置していた旧作を非公開にしようとしたところ【検索から除外】という方法しかなかったんですが、それ以降もずっと定期的にアクセスがあります(さすがにケタは以前と違いますが)。つまり、ランキング・新着・タグ検索以外から読みに来てる強者がいるっていうことで……これってすごいのでは? それくらい、読み専さんの存在感があります。

セルバンテス

カクヨムとUIが似ているので、バックアップに……と思ったのだけど、2020年5月末でサービス終了。講談社NOVEL DAYSに統合。

Pixiv

個人サイトではなく投稿サイトを使う難しさのひとつに、性描写や暴力描写への規制がある。私の作品にはどちらもそこそこあるので、危なそうな描写のあるエピソードを避難させる目的で使用しています。

二次創作がさかんなサイトなので、オリジナルは人気ジャンル以外あんまり読まれないかも。

【長所】R18や二次創作が置ける
【短所】長編シリーズは載せにくい

note

もともとは小説の宣伝目的でアカウントを作ったんだけど、画像やリンクつきの記事が載せやすく、愛用してます。情報量の多い良質な記事が好まれる印象。私は書かないけど短編やエッセイ、詩・短歌など置くのによさそう。ただ、ルビがふれないんですよね。

他サイトの過疎ジャンル(詩や短編)の人は、こっちなら読まれるかも? note向きかもと思う書き手さんがけっこういる。小説でも、長すぎず(十万字以下で)ライト文芸風味、料理が出てくるようなやつとかならかなりnote向き。読者自体はなろうの次くらいに多いらしいので、ここで勝負をしてみるのも手かも。

ランキングなどの作品を露出する場所が少ないせいか、営業が多い。最初は交流をひろげて読みあうような方策のほうが読まれやすいかもしれない。(そのへんはカクヨムに似ている)

【長所】画像や動画、リンクつき記事が載せやすい。読者数が多い。投げ銭的サポート・有料記事制度あり
【短所】長編小説は載せにくい。バックアップの方法がない。予約投稿機能が有料

エブリスタ

noteに連載されているmonokakiさんの記事が好きなのと、まわりでカクヨムと併用している書き手さんが多かったので投稿先に選びました。携帯小説の流れがあるからか、かなり短く区切って投稿している人が多い。女性向けのライト文芸・恋愛・異世界+恋愛が受けている印象。昔の携帯小説の発展形のような半自伝的恋愛作品もよく見る。編集企画のコンテストが多い点も好感。条件付きでR18OK。

1ページがあまり長いと敬遠されるみたいなので、描写が多いガチガチのハイファン勢には厳しいかも。

【長所】一日一回送れる評価やページごとのコメントなど、読者からの反応がもらいやすい。UIもユーザーフレンドリー。交流しなくても、読み専さんがそこそこ来てくれるのもうれしい
【短所】他サイトでは遭遇しないような操作系の不具合がわりと多いんですが、感じるのは私だけ……??(海外からのアクセスだからかも)

アルファポリス

リワードをもらえる点では先駆的だったサイト。歴史やホラーが強いという噂も聞くけどそのへんは詳しくないのでちょっと不明。どちらかといえばなろう系のコンパクトなやつが受けているような気がする……女性向けも、新作・中編(5万字以内)くらいでエロありが人気。R18OK。

ポイントシステムが謎で、作品PVがわからないのも特徴のひとつ。PVを気にしすぎる人にはかえって向いているかも。

なろうで読者反応に慣れてから売れ筋を狙って書けば、そこそこリワードもらえるようです。ただ評価システム的に大長編より短編・中編向き。

【長所】相互評価少ない。リワードがわりと手厚い。画像はここが一番載せやすく、表示もきれい。ランキングが独自計算されており、独自のHOTランキングで新作が埋もれにくい
【短所】読者からの反応がすくない。長編は埋もれやすい。あと、編集記号が独特!!他サイトからのリンクで出品することもできますが、アルファポリスオンリーからよそに転載しようとするとけっこう大変では。初心者が最初に選ぶにはやめたほうがいい場所かも。

ランキングがしっかりしていて、新作(HOTランキング)、完結など露出すると直後にフォローが増えます。いわゆる「完結ブースト」がわりとはっきりしています。長編作品を出すなら、十万字前後でいったん分冊にするとかして完結時・新作時としての露出を狙うとよさそう。開始・完結のタイミングを読者の多い時間帯にするなど調整するのも手かも。

ノベルアップ+

後発ながら、Twitter上ではなろうの次くらいによく見かけるサイト。公式のSNS発信が多かったり、交流促進的な場所なのかなぁ。

エディタは妙に独自性があってちょっと使いにくい(私見)んだけど、スタンプタイプのコメントや遊び心のあるポイント制、アンケート機能など書き手にとって楽しい機能がもりだくさん。どちらかといえば……若い世代向きでは。

【長所】書き手が続けやすい機能が多い。Twitter上での交流も多く、作品を露出させやすいのでは。
【短所】システム上、読み専のメリットが少ない。相互評価の横行は各サイトのなかで一番ひどいと思う。(私見です)ランキング上位にサイトの特色がとぼしい。活動報告、自主企画、編集部企画といったサイト内露出の方法が少ないので、ランキング下位の作品をスコップしづらい。

※ノベプラではびっくりするほど拙作が読まれてないので、その遺恨が多々あることをお含みおきください。

Novelism

今年9月にオープンしたばかりの新しい投稿サイト。「契約作品」という制度が特徴で、運営が選んだ作品は有料での配信となり作家側に収益がもたらされる仕組み。すでに中国ではこの仕組みで収益化できていて、専属作家もいるのだとか。へぇー。

登録はしたんですが(アマゾンギフト券もらった)、お声がかかるような作品は書いてないし、そもそも有料契約すると他サイトから作品を引きあげないといけなくなるので、たぶんここには出さないと思います。トップページを見ると、けっこう他サイトでなじみのある作品が多いです。

NOVEL DAYS

2018年より現行。前身はチャットノベル(キャラクター同士の掛け合いの会話形式ノベル)メインの投稿サイト「トークメーカー」。なので、ランキングを見るとこのチャットノベルをちらほら見かける。活動報告などを見るかぎり、活発に利用している人は大手のなかでは少ないほうではないかという印象だが、いわゆるなろう系以外のミステリ・ホラー・純文学系がそこそこ読まれている点は特記できそう。私は、ここには小説以外にハウツー系の作品とイラスト集を出しました。

評価ポイントはブクマ、ページ内いいね、コメント(ファンレター)。読者同士のやりとりでもポイントが積算されていくため、固定のファンがいればランキングに乗りやすい印象。一方で、活発に活動している読者同士の相互ポイントが目につき、ランキング内の作品レベルとあまり一致していないのが残念。(私見です) お友だちを作って、マイペースに活動したい人に向いているかも。(追記:2020年10月、ファンレターによるポイント加算は廃止されました。この評価方法についてはずいぶんサイト内で炎上してましたね~)

【長所】比較的新しいサイトなのでUI・エディタが使いやすい。ランキングへの露出が比較的ハードル低め。
【短所】上記のランキング問題があり、読者として作品をスコップするのが難しそう。あと、見つけきれていないだけかもしれないけど、バックアップ機能がないような……?

ノベマ

スターツ出版の全年齢男女向けサイト。商業小説をお試し的に読めて楽しいのだが、投稿サイトとして活動している作者はどれくらいいるんだろうか……昔の中編を出してみているんだけど、いまのところ自分で動作確認したぶん以上のPVがついている気配がない。新着にもずいぶん長いこと載っていたので、リアルタイムで更新している人が多くないのかも。

まとめ

定番の人気ジャンルもありますが、各サイトごとに強みもあるので、自分の作品がどこに向いているか調査してから投稿するといいかもしれないですね。ただ、特に非テンプレ・不人気ジャンルの場合は、読者がつくかどうかは時の運もあります。あるサイトで反応がなくても、めげずに他サイトに出してみることをお勧めします。思わぬところに定住先があるかもしれませんよ。もちろん、投稿サイトがクローズされる事態にそなえ、バックアップはつねに忘れずに。

……といいつつ、最近書籍化した周囲の書き手さんたちを見ると、ひとつのサイトをホームに書いている人が意外に多い印象。

"80 percent of success is just showing up"(成功の八割は、顔を出し続けることにかかっている)というウッディ・アレンの格言もあります。一か所に腰を落ち着けて、作品にだけ集中するのも成功の方法かも? 

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