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専門医の価値とは?、給与は変わるのか?

これを読んでいるあなたは専門医を取得すべきかどうか迷っているのではないでしょうか?
ここでは専門医の価値や給与への影響について解説します。

ここでみなさんに質問します。
専門医の価値とはなんでしょうか?
お金ですか?、臨床力ですか?、名誉ですか?、、
違います。

専門医の価値とは
身分証です。(笑)

診療科によってはこれがないとできない治療があったり、特別な加算がついたりするのでさらに付加価値がつく場合はありますが、それ以外は身分証以上でも以下でもありません。

こう聞くとそれじゃあ別にいらないじゃんと思うかもしれません。
しかし、この身分証というのは非常に重要です。
なぜなら、最低限専門的な研修を修了し、専門医試験に受かる程度の知識や経験があること。
つまり最低限の臨床能力があることを手っ取り早く示すことができるからです。

運転免許証で考えてみましょう。
運転免許証は運転に必要な最低限の知識や技能訓練を受け、学科試験、実技試験に合格し、公道を運転できるだけの能力があることを示すものです。
運転免許証を持っていれば、ああ、この人は運転できるんだなと評価されます。
ここでも免許証を持っていることと運転技術は必ずしも比例しませんが、周囲からは運転できる人とみなされます。
逆に免許証を持っていなければ、どれだけあなたが運転がうまいと言っても信じてもらえるでしょうか?
よほど有名なレーサー等を除いて、運転ができることをどうやって示しますか?
とても難しいですよね。また、そんなに運転がうまいならなんで免許証持っていないの?
この人は何か悪いことをしたのか?、よほど偏屈な人なのか?などいらん誤解を招くこともあります。

専門医も同じで専門医の有無と臨床能力が比例しないのは百も承知ですが、臨床能力をどうやって示しますか?
よほど有名な先生やブラッ◯ジャックのように類稀なる手術の才能があるなど特殊な場合を除いて、患者さんや病院にどうやってそれを伝えますか?
そう、臨床能力を伝えるのは非常に難しいのです。

専門医をとると給与は変わるのか?
給与に反映されるかどうかは全く別の指標です。
医師の給与の元は診療報酬です。現行の診療報酬体系では一部を除いて専門医の有無で診療報酬に差がないため、専門医をとったからと言って給与が上がるわけではありません。
転職する際にその時点での採用や給与という点では他に能力を示す指標がないため、有利には働きますが、入職後に給与が上がるかどうかは、仕事ぶりや役職に着くかどうかの方が重要です。

専門医はあくまで身分証で運転免許証のようなものです。
持っていて目に見えて得をすることもあまりありませんが、ないと困る場面は出てきます。
取れるのであれば取得しておいた方が無難と言えるでしょう。