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自由診療の求人は魅力的?、安易に飛びついてはいけない理由とは?

初期研修医、後期研修医のみなさん、これを読んでいるあなたは美容等の自由診療に魅力を感じているのではないでしょうか?

確かに、初期研修医終わりでも年収2000万前後、週休2日、定時退社、当直なし、成績次第では年収億超えも可能、開業して当たれば収入はもはや青天井、、
とても夢がありますし、これは事実だと思います。しかし、これは成功した一部の事例です。

自由診療で成功するのは”ほんの一握り”です。

自由診療で脱落すると潰しが効きません。(他の診療科で専門医を取得していたり、十分な知識や経験があるなどの場合は除きます。)

また近年では大手美容医療機関も新卒一括で大量に採用する方針になったと聞きます。
ただでさえ、美容業界はクリニックが乱立しており、レッドオーシャンの状態なのに大量採用をする状態ではより成功するのは難しくなるでしょう。
ある一流の美容外科の先生にお話をお伺いしたこともありますが、今の時代、病院のブランドや単に手術が上手いというだけでは成功できない。他がやってないことができたり、SNSの運用がうまかったり、自分をブランディングして集客できなければ、成功できない。また、進歩は目覚ましく、常に最新の技能や知識を取得できるようにアンテナを張っておかないとすぐに置いていかれる厳しい世界。

また、自由診療から脱落するとその後の医師人生が詰むことが多いです。
初期研修医終了後に美容に行って数年後に脱落したとすると、30歳前後で一般的な病院に転職することになります。
採用する側から見るとどうでしょうか?
保険診療と自由診療では同じ医療でも当然必要となる知識や技能が異なる上、自由診療に進んだということはお金重視なのかな?、一般的な医師の勤務には耐えられなさそうかな?など勘繰られることが多いです。実質、医師としての履歴書は初期研修以降空白に等しい、またはそれ以下の評価となります。
また、自由診療は年収や待遇がいいことが多く、その落差に耐えきれないと耳にすることも多いです。

保険診療はやっぱり楽だなと改めて思います。
売り上げの7割以上を国が補填してくれる、かつ、標準的なことをするだけで十分評価される。
私も普段の診療で何も特別なことはしていませんし、標準的な診療をしているだけですが、それだけで何も問題なく勤務できています。
また、開業すれば自由診療ほどではありませんが、それなりの資産を築く事も十分可能です。(開業については賛否両論ありますが、私はやり方次第だと思っています。)

医師免許の最大のメリットは”ある程度の年収を安定的に稼ぎ続ける”ということです。
実は自由診療のメリットと医師免許のメリットは相性が悪いです。

確かに自由診療で成功すれば年収億超えも可能かもしれませんが、それは自由診療でやらなくてもいいのではないでしょうか?
医師としてある程度の給与をもらいながら起業してビジネスをしたり、株や不動産等の投資で資産を増やしたり、お金を稼ぐ手段は他にもたくさんあります。

私はなにも美容等の自由診療に進むことを否定しているわけではありません。
ただ、自由診療で成功するには保険診療以上の類稀なる努力と覚悟が必要であり、医師免許の安定というメリットを捨てることになることを肝に命じていただきたいということです。

みなさんが後悔ない進路を歩めるようにお祈りしております。