自分まかない#02ゆでうどんとインスタントみそ汁
フリーランスは、自分で働き方を決められる割に忙しない。目の前の仕事を言い訳に、ついついおろそかにしてしまうのが食事だ。けれども食べるは“生きる”の源。簡単でも自分でまかなうことは、己をいたわる行為でもある。フリパラ編集メンバーでライターのジャスミンと、5分でめぐる食の冒険。
今日のお昼はうどんだ。決まっている。
ゆでうどんが1食分ポツリ、冷蔵庫に鎮座しているからだ。
「3食128円」の庶民の味方は、一人で食べきるには若干しんどい。
だしを引いたりゆでたりと意外と面倒だし、冷たいうどんはまた、おかずを考えなくては。何より3食目ともなると、だし+しょうゆの味に若干飽きがくる。ということで、今日はみそ仕立てにしてみる。豆乳も使って、カルボナーラ風といこう(イタリアの人に怒られるかも)。
スタンバイはお昼前のティーブレイクから。用意した丼に卵をセットし、お茶をいれるついでに多めに沸かしたお湯を注ぐ。パン皿で蓋をしたら、しばらく放置し、温泉卵を仕込んでおく。
これで1時間ほど、仕事の時間も確保できた。
他に用意したのは、凍らせておいた小松菜とミニトマト。味の要となるはインスタントみそ汁。“生みそタイプ”というのがミソだ。
小松菜は便利だ。1把買って余るときは、洗ってキッチンペーパーで水気をふき、2、3センチ幅に切って保存袋に入れて冷凍しておく。灰汁が少なく、熱を通さなくても食べられる。解凍後絞っておひたしにしてもいいし、凍ったまま油揚げやしらすとさっと煮ても、みそ汁の具にしてもいい。
今日のうどんのポイントは、鍋のサイズと水の量だ。すでにゆでてあるのだから、芯まで熱が通ればよい。だから鍋に入れる水は少なくして、蒸すイメージ。うどん1玉がそのままギリギリ入るくらいの、小ぶりの鍋を選ぼう。
水150ml程度を強めの中火にかけたら、冷蔵庫のドアをパタパタするうち鍋の湯が沸く。そしたらうどんとみそ汁の具材を一緒に入れる。このとき具は軽く割ってあげて、熱の通りをよくする(でも粉々にはしない)。蓋をして2分、その間ミニトマトはヘタをとり半分に割っておく。
使った包丁とまな板を洗い終えて鍋の蓋を開けると、ちょうどブクブクと、うどんとみそ汁の具が鍋の中で騒ぐ頃だ。そうしたら気持ち火を弱め、インスタントみそ汁のみそを加えて、菜箸でグルグルとまんべんなく混ぜる。フリーズドライのキューブタイプだと、こうはいかない。うどんで粘り気を帯びたゆで汁とは相性が悪く、みそがうまくとけないから。
次に豆乳を投入。焦げない程度に火を強め、箸で引き続きグルグルさせると、少しもったりと泡立ってくる。程よく麺と絡んだら火を止めて丼へ。上に凍った小松菜とミニトマトをあしらい、最後は真ん中に温泉卵を載せたらできあがり。小松菜の緑に、ミニトマトの赤、温泉卵のほぼ生な黄身がカラフルで、何ともうどんらしからぬ。(どうか稲庭、讃岐ほか、”うどんの聖地出禁扱い”となりませんように)。
食べるときは、上と底としっかりと混ぜよう。凍った小松菜をアツアツのうどんで溶かすためだ。おみその醸した塩気と豆乳のクリーミーさが相まって、なんとも癒される。時折みそ汁の具のシャキシャキ野菜がやって来て、小松菜のフレッシュな香りがホッとさせる。味に飽きてきたら、ミニトマトの酸味が気分転換になる。
ちなみに卵の黄身は、最後まで割らない派だ。
おつゆが少なくなってから割って、特濃加減を楽しむのである。満足。
〈材料〉
――豆乳クリームみそうどん(1人前)
・ゆでうどん:1玉
・卵(中サイズ):1個
・インスタントみそ汁(生みそタイプ):1人分
・豆乳(無調整):100ml
・小松菜(冷凍):小鉢1もり(50g程度)
・ミニトマト:3個
※温泉卵をつくるのに使った丼は、盛りつけの前に必ずよく洗う。卵に熱を通したい場合、鍋を使う、卵を常温に戻してから調理するなどの工夫を。
※インスタントみそ汁の具材はお好みで。野菜系やわかめなどがおすすめ。
※ミニトマトは上下半分に切ると、種の表情がきれいに見える。
〈ひとこと栄養メモ〉
小松菜はカルシウムが豊富な野菜です。ほうれん草(生・可食部)100g当たりのカルシウム含有量が49mgなのに対し、小松菜(生・可食部)は同量で170mgです。ただし小松菜に含まれるカルシウムの体内への吸収率はあまり高くありません。カルシウムの吸収を補う栄養素にビタミンDがあり、卵に多く含まれます。(管理栄養士・たなべやすこ)
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