見出し画像

自分まかない#01さきいかとキャベツ

フリーランスは、自分で働き方を決められる割に忙しない。目の前の仕事を言い訳に、ついついおろそかにしてしまうのが食事だ。けれども食べるは“生きる”の源。簡単でも自分でまかなうことは、己をいたわる行為でもある。フリパラ編集メンバーでライターのジャスミンと、5分でめぐる食の冒険。

春から夏へ移ろうとするこの時期は、少しばかりそわそわする。
最近は急に気温が上がり、木々はぐんぐん葉を伸ばすし、
ついこの間まで儚げにも見えた遊歩道の花壇は、
タフで鮮やかな花へとお色直しをしている。

花見もついこの間だと思っていたのに。
つまみを買い過ぎ、手元に残ったさきいかが何だか懐かしい。
台所の隅に転がるキャベツと浅漬けにしてしまおう。

まちのある、少し大きめの保存袋にさきいかをさらに割いて、日本酒を垂らしておく。

少し柔らかくする間、キャベツは千切りに。几帳面にする必要はない。トンカツのときは糸のように細いのがふわっとしておいしいけれど。そして水に晒す必要もない。

保存袋にキャベツ、レモン汁も加えて空気を入れてしっかり閉める。
そうしたら、袋をつかんでシェイクシェイク! 単純な動きなのに、ちょっとしたストレス発散になって楽しい。

ひととおり混ざったら、今度は袋の空気をしっかり抜いて、袋の外から軽くもんでなじませる。すぐ食べてもいいけど、一晩冷蔵庫で寝かせると、さきいかも柔らかくなってもっといいよね。

翌日のブランチには、トーストにのっけて食べてみる。
しんなりとしたキャベツに、さきいかの味がなじんでいておいしい。トーストのバターと上に散らした海苔の香りも引き立つ。

パンは代々木八幡にあるイエンセンのもの。
デンマーク系デニッシュが有名なお店だけど、訪れたのが夕方だったから残っていたのは角食パンだけだった。でもこれもなかなか。トースターで焼くと耳までサクッと、中がふわっと軽くとけるような食感だ。

代官山での打ち合わせの帰り、少し遠回りして歩いて手にした分、なおのことおいしく感じるのである。

〈材料〉

――キャベツとさきいかの浅漬け(つくりやすい量)
・キャベツ:150g程度
・さきいか:40g程度
・日本酒:大さじ1~2
・レモン汁:小さじ1~2
※キャベツとさきいかの量は、さきいかの味の濃さによって調整を。
※アルコールが苦手な人は日本酒を電子レンジで加熱し、アルコール分を飛ばしてから使うとよい。ない場合は水でも。
※食べるときに白いりごま(適量)を散らす。

――トースト(1人前)
・キャベツとさきいかの浅漬け:適量
・角食パン(6枚切り):1枚
・バター:大さじ1
・もみのり:適量
※トーストにバターを塗り、浅漬けは水気を絞って載せる。最後にもみのりを散らして仕上げる。

〈ひとこと栄養メモ〉

野菜不足が気になる人は、トマトジュースやニンジンジュースと一緒に。今回はビタミン補給にきんかんを添えました。たんぱく質は牛乳やゆで卵などで補うとよいでしょう。余裕があれば野菜スープなど、温かいものを用意すると体の冷えを防ぎます。(管理栄養士・たなべやすこ)

ジャスミン
フリーランスライター/ 『フリパラ』編集メンバー。
話し手・届け手・読み手の「健やかな生きざま」に、ほんの少しでもつながる期待を込め、オウンドメディアや個人出版、Web制作などに携わる。趣味はプチリッチフード探索。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?