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あなたの経験・スキルが誰かの役に立つ!「中小企業デジタル化応援隊」ってこんな制度

テレワークの導入、新サービスの販路開拓、人材育成、マーケティングなど、全国の中小企業のIT化を専門家がサポートする「中小企業デジタル化応援隊」という制度をご存じでしょうか?

これは国の事業で、中小企業がITを活用したいときにWeb登録すれば、自分の悩み事を解決してくれる人材をマッチングしてもらえて、かつ最大3500円/時間(税込)の謝金が国からIT専門家に支払われるという仕組みになっています。

この「IT専門家」として登録するには、中小企業のデジタル化に対応できるスキルがあれば特別な資格や経験は不要です。副業・兼業の方も大丈夫!
「私にはあまり関係なさそう」と思っている人もいるかもしれません。しかし、この“応援隊”のほうに登録しておくことで、自分が企業のサポートをすることに関わることができるかも!?

条件には該当しているけれど、いったいどんなことをやるのか想像がつかないから私には無理かも、という人はチャンスを逃しているかもしれません。
今回は、実際に中小企業デジタル化応援隊を利用した事例を取材してきました!

Webサイトを改修したものの効果が出ない…

「中小企業デジタル化応援隊」制度を利用したマーケティングリサーチ企業で代表を務める城みのりさんは、自社ホームページ改修をしたばかりでしたが、そのホームページについて悩んでいました。
改修を担当した方がWeb開発経験の浅い方だったので、デザインなどの見た目ばかりを重視し、ユーザー動線や更新のしやすさなどがほとんど考慮されていないページになっていたからです。

「デザインとしてはとても満足していたのですが、それ以外の部分でとてもストレスが溜まっていました」と城さんは言います。

ホームページの改修の結果が悪いということがわかっても、会社のメンバーはみんなリサーチャーであり、IT周りのことができる人が皆無。「『何がどうダメなのか』の言語化すらできない」(城さん)状態でした。

悩みに悩んでいた城さんは、知人であり、ホームページに関するコンサルができることを以前から聞いていた須澤美佳さんに、連絡を取ってみることに。

須澤さんは、2011年にフリーランスとして独立後、企業や行政関連などこれまでに数多くのWebサイトを手掛けている人でした。城さんからのSOSを受けた須澤さんは、「それであればぜひデジタル化応援隊を利用してみませんか?」と提案したそうです。

デジタル化の“相談”のハードルを低くする

須澤さんが中小企業デジタル化応援隊に登録したのは、「これまでもさまざまな相談を受けることが多かったのですが、私への個別相談は1時間7000円でお受けしているため、ちょっとした相談をするにはハードルが高かったんです。しかし、デジタル化応援隊を通して相談していただくことで、(国からの謝金があるため実質的に)依頼主の負担を軽減できるのではないか?と」思ったから。
城さんの依頼にも、この制度を利用して手軽に依頼してもらえるのではと考えたのです。

城さんはフリーランス協会の告知などで存在は知っていたものの、そのように自分の会社が制度を利用できるとは思ってもいませんでした。そのため、須澤さんの提案に対して、二つ返事でOKすることにしました。

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*中小企業の相談案件詳細画面

城さんが実際に須澤さんに応援隊として稼働してもらった時間は18時間。フルタイムであれば3日に満たない程度の期間です。

まず須澤さんが行ったのは、城さんから現在のホームページに関する不満点をヒアリングすること。その内容を基に、須澤さんが専門家としての観点も含めて改善提案書を作成しました。そして、その改善提案書に沿って予算や修正にかかる期間などを考慮しながら、優先順位を決定していくことで、18時間に収めていきました。

提案するだけではありません。Webサイト構築のエンジニアに対して修正依頼をかけるときの依頼内容をまとめたり、修正後のチェックをしたりするのも須澤さんが担当。お客様とエンジニアの橋渡し的な役割も果たしてくれました。

餅は餅屋、デジタル化はIT専門家に

会社のメンバーだけなら悩むだけで何もできなかったものが、外部の須澤さんが間に入って改修の指示を行っただけで、改修前には“SNS状態”で流れていってしまっていた記事が意図したとおりに整理ができ、ストレスなく見たいページに飛べるようになりました。城さんが優先順位をつけてくれたおかげで、予算の範囲内で最善の結果が出たわけです。

「餅は餅屋。須澤さんがいなかったら、おそらく未だに改修の着手すらしていません」(城さん)

そして、最後には二人でスクリーンショットを撮影。

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*(左)城みのりさん(右)須澤美佳さん

じつはこれは、中小企業デジタル化応援隊を利用したときの支援実施報告の提出資料なのです。支援ステップごとにスクリーンショットを取り、専用マイページから提出する仕組みなのだそう。

支援に関する報告の作業もありますが、すべてWeb画面で完結するので簡単。最終的に業務が完了すれば、それをIT専門家側が中小企業デジタル化応援隊の事務局へ謝金を申請するだけです。その後、支援先に対しては、謝金を差し引いた金額で請求書を発行します。

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*支援実施報告画面

「Webサイトについては、ユーザーに訴求することも大事なのですが、持ち主本人に不満があるとどうしても更新の手が止まってしまうという側面があるので、不満が解消されることは経営者にとって大きなメリットがあると思います。相手のお手伝いしたいと思ったときに、『この補助金を使っていただくとお得にサポートが受けられますよ』と提示できるのは、IT専門家登録した人本人の営業活動の一助にもなるような気がしています。それに自分自身も報酬が発生することでしっかり仕事として責任感を持ってサポートできます」(須澤さん)

だれでもIT専門家になるチャンスあり!?

ちなみに、ここに出てくる「IT専門家」は、読者の皆さんがイメージしているようなエンジニアやデザイナーの人ばかりではありません

Webサイトの構築など一定の知見がある専門家の登録はもちろんですが、
「ネットショップを運営していました」
「Zoomで研修をやっています」
「クラウド会計使えます」

といった人でも登録ができるのが中小企業デジタル化応援隊の特徴なんですよ!

「IT専門家」の登録は無料ですので、気軽に登録してみるのもいいかもしれません。ただ、登録までには5営業日程度かかるそう。受付期間は2021年1月31日(日)までですので、登録はお早めに!

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「中小企業デジタル化応援隊」公式ホームページ
IT専門家登録フォームはこちらから!


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