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朝食の列に誘われて:「とんかつ桂」で味わう変化

小平にあるとんかつ屋「桂」を訪れたある朝のことです。

普段は朝食を摂る習慣がない私ですが、店の前にできた行列に思わず心を動かされ、足を運ぶことにしました。店内は10人ほどが入れる小さな空間ですが、隅々まで行き届いた清潔さが印象的でした。店主の凛とした佇まい、そしてそこから想像される美味しさに期待が高まります。

上ロース定食を選び、待つ間に出されたお茶の豊かな味わいに心が和みます。定食に添えられたお新香を目にした時、いつもなら避けて通るきゅうりが含まれているのを発見しました。しかし、ピクルスにされているとあって、試しに口にしてみることに。驚いたことに、私の苦手とする独特の臭みは感じられず、思いがけず食べられたのです。この日を境に、私ときゅうりとの関係が少しずつ変わっていきそうです。

待ちに待った上ロースの到着です。その見た目といい、香りといい、期待を裏切ることはありませんでした。特に、衣にまぶされたコショウが、肉のジューシーさを引き立てるスパイスとなっています。味噌汁も格別のおいしさで、食事の満足度をさらに高めてくれました。おまけに、サービスの田楽までついてきて、この日の食事がどれほど特別だったかを物語っています。

食後には満腹と共に満足感があり、「ごちそうさまでした」と店を後にしました。小平の「桂」での、予期せぬ発見と新たな出会いに感謝しながら、私は新しい一日を始めました。この朝の出来事は、私の中で単なる朝食以上の意味を持ち、料理だけでなく、自身の変化にも気づかせてくれる一時でした。きゅうりとの長年の諍いが和解へと向かうきっかけをくれた、小平「とんかつ桂」の上ロース定食。確かに、美味しい食事は、ただ腹を満たす以上の価値があるのだと、あらためて感じさせてくれる体験でした。

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