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フランス流子育て②

フランスの産休制度

業種によって多少の違いはあるようですが、フランスでは会社員が産休で休んでいる間も働いている時と同じ給料がもらえ、産後は2か月半の休みをとることができます。

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この表はフランス政府のサイトを参照して作ったものですが、この表によると初めての子供を出産する場合、合計16週間の産休を取ることが可能です。

併記されている注意書きによると、許可されている日数全てを取らなくても良いとのことですが、最低合計8週間、うち産後の6週間の休暇をとることが義務付けられていて、これを守らずに働いていると雇用主が罰せられることになるようです。

実際のところ補償されている産休を返上して働いている人に私は出会ったことはありませんし、出産後の産休明けはそのまま有給消化し(なんと産休中でも最低5週間の有給をとることができます)てから復帰する人が多い印象です。

なにより上記の表はあくまで「最低日数」なので、業種によってはこれよりも長い期間産休がとれる場合もあり、私確認したところ産後は4か月程度休んでいたようです。

休んでいても給料全額が支給されるのは、国が出生率を上昇させようと取り組んでいるからだと思いますが、精神的に不安定になりがちな産後も経済的な不安から解放され、安心して子育てができるとてもありがたい制度だと思います。


フランスの保育園事情

私は二人の子供を3月に出産し、6月末まで産休を取った後仕事に復帰しました。

仕事復帰したのは夏休みシーズンの7月、8月で、この間は保育園に入れることができなかったので双方の両親を頼りながら切り抜け、新学期シーズンの9月から市営保育園に子供を預けることができました。

希望者全員が保育園に子供を預けられる訳ではないので、とてもラッキーだったのだと思います。

少しでも選ばれる確立を上げようと、出生後間髪入れずに市役所に申請書を提出したり、熱心な親アピールをするために近所の保育園を訪問したり(これはあまり意味がなかったような気がします)一応最低限できることはやっていました。

実は凄いコネ社会のフランス、市役所に知り合いがいると優先的に保育園にもらいやすいと聞いたことがありますが、真偽の程は定かではありません。

預け先がなく困り果てた近所の人が、市の無料相談室で「保育園の空きがなくて精神的に追い詰められている」と涙ながらに訴えたら許可してもらったと言う話も聞いたことがあります。 

ベビシッター

保育園というのは病気の時には預かってもらえないなどの不便な点も多く、夫婦ともバリバリ仕事をしていて、帰宅時間も19時過ぎが当たり前というような場合には、ベビーシッターさんを初めから選択する家庭もあります。

私も長男が扁桃腺を晴らして発熱する回数が異様に多く、保育園から毎週のように電話がかかって来て、その度お迎えに行った思い出があります。

夫が自宅で仕事をすることができたので、病気が長引く時はお陰で乗り切ることができました。

自宅で複数の子供を預かっているシッターさんに預ける場合、国の規定に沿った市営保育園同等の料金で預かってもらうことができるので万が一保育園で受け入れてもらえない場合でも安心です。

個別に自宅に来てもらう場合には、預入料金が割高になるため、負担額を低く抑える為に別の家族と一緒にシッターさんをシェアすることがよくされているようです。

ベビーシッターを利用する場合の大きなネックは、相手がどういう人かによって明暗が分かれるという点です。

子供好きで本当に素晴らしいシッターさんが沢山いる一方で、子供に対する言葉遣いが悪かったり、お金のことでもめて、裁判沙汰になってしまった友人夫妻のような特殊なケースも...。

移民の数が多いパリだけの特徴なのかもしれませんが、ベビシッターさんはアフリカ系の方がとても多く、フランスで生まれ育ったシッターさんは少数派のなのではないかと思います。

フランスに来たばかりの頃、フランス人は外国人に自分の子供を預けるくらい信用しているんだなと驚いたものです。

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