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【シンプルな一人旅】※昨冬の日記です


今回はシンプルな一人旅。
持ち物は最低限の着替えと、駅で入手した地図と
カメラ、サブバッテリーのみ。
デジタル機器類は事務所に置いてきた。

日も上がる前の早朝。未だ拝観したことのない寺院へ。
石組みや建造物、仏像を目の当たりにして、
あまりの玲瓏たる全てに、毎度ながら息が止まる。

人影のない境内は厳粛で荘厳な空気に満ちていて、
お線香の香りが薄っすらと漂う。

このひと月の間。
様々な事から距離を取って過ごしていた。
ネットやメディアはもちろん、
仕事や与えられている担いの負荷を減らして。
そして何よりもヒトとの距離もそれ以上に。

トタン屋根を叩く雨音で目が覚めてしまう様な安宿に荷物を預け、持ち物はカメラと現金のみ。
身軽と感じる以上に、常に繋がるものから解放され心が軽やかだ。
1日中街を歩き尽くした夕方、潔癖症で銭湯がとても苦手な自分だが、どうしても頭と身体を洗いたく、下町の銭湯でシャワーだけ浴びてその足で商店街の立ち飲み屋で焼酎のお湯割りと小鉢を頂いた。

宿に戻れば、モレスキンにその日の心境を綴り古本屋で買った新書を読み漁り、世の中で何が起きている事など何も知らず、15分間のインナーマッスルを行い22時には就寝。

4時半に起床して、ストレッチとラジオ体操をして、
カメラを持参して散歩に。

今回の旅は遠い遠い昔の歴史が残る街へ。
のんびりとする事を目的としたため、たくさんの写真が撮る事ができた。
何度もアングルや構図やトリミングを試みて、
ワンショットから記憶が蘇る写真を。

シンプルな一人旅。
荷物はカメラと現金と筆記具と日記と1冊の本。
これはどこか、この先自分が目指そうとしいている人生観が投影されている気がした。
だからこうした旅は、どこそか心地よいのだろうか。

来月は桜島へ。
鹿児島はいつも何かしら想いが募る土地。
荒々しい大地の中、逞しく生きているヒト達の魂を感じる。
短い間でも人々の生活の中に交わり、
何かを感じながら自らの時間を切り取ってゆきたい。

2度と戻らぬ大切なその時を。



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