禅僧ティクナットハンが伝える「自分を愛する」シンプルで具体的な行動
私が好きで見ているInstagramで、瞑想家の佐々木依里さんという方がいらっしゃいます。
依里さんの言葉はいつも芯を突いてて温かくしなやかで大好きなんですが、そんな依里さんが巷で蔓延する「自分を愛する」について、こんな風に語っている投稿がありました。
まず、Self-Loveについて
ハッキリ言って気持ち悪い訴求があって
”自分を愛そうね”って押し付けてくる感じ
（自己肯定感を煽り、不安煽ってるたぐいのものが多い！
コンプレックス産業に要注意。
コンプレックス産業とは、顧客の「劣等コンプレックス（劣等感、外見・内面の問題）を解決し、それに対する対価を得る産業）
人にはコンプレックスや自己否定感
みんな色々ある、変わりたいと思ってる部分もある
そんなに自分を好きになんなきゃいけないの？
好きでもなければ嫌いでもない
忙しいしなかなか取り組めないのも事実
そんな自分を一切無視して”自分を愛そう”って押し付けられて
丸ごと自分を好きになるって、ハッキリ言って気持ち悪い
自分を愛そうハラスメント
無理がある、その手の自己啓発とか
コーチングとかスピの呪いが蔓延中なので
違和感を持っている人は、その違和感を大切に！
本当にそうだよなぁって思います。
だから、そういうことを語るインスタやブログって、もうほとんど見なくなりました。
真の意味で、愛することを語れる人やその経験がある人は、ものすんごく少ないと感じているから。
「自分を愛する」ということに焦点が行くのは素敵なことだけど、自分にとっての「愛する」がどういう定義か、どういう行動によってそれが成されるのかがズレていれば「自分を愛さなきゃ教」で苦しくなる。
知識入れただけで終わって体感がない空虚さや、一時的な恍惚感や変わった！感で興奮して後は元通り、っていう感覚は拭い切れないんだよなぁ。
で、YouTubeを見ていたら、たまたまrecommendで表示されたこの動画。
うわ、私が体感を伴って感じたことと同じ！そうそうそれ！と感動したので、紹介します。
しかも、この穏やかな声、誰やろな…と思ったら、まさかのティクナットハンさんだった。YouTubeのアルゴリズムに感謝だな♡（笑）
どうすれば自分を愛せるのか。
まず最初に、息を吸います
（会場笑い）
マインドフルに息を吸います
すると自分には、身体があるということに気がつきます。
息を吸い込むと、身体の存在に気づきます。
身体はとても大切な私たちの一部です。
パソコンに2時間向かった後は、ストレスでいっぱいになっています。
そこからどうやって抜け出せばいいかわかりません。
その時、身体のことは完全に忘れています。
その2時間の間、今ここにない何かを求めて将来を思ったり、仕事のことを考えたりしていますが、身体はストレスを感じています。
愛するという行為の第一歩は、
息を吸い、自分の身体に立ちかえることです。
息を吸うと、身体のことを思い出します。
「身体さんこんにちは！帰ってきたよ！君の世話をするね。」
そうやって身体を気にかけること、それが愛の始まりです。
思考が身体に立ちかえると、
思考と身体が今、この瞬間に立ちかえります。
すると、２つのことに気づくでしょう。
マインドフルな呼吸をすると、まず初めに気づくのは、
身体が未知なるものだということです。
身体は未知なるものだということを、再発見することになります。
生物学者らが理解しようとしてきたこの身体とは、
宇宙の傑作なのです。
身体は不思議に満ちています。
肉体というのは意識が宿る場所です。宇宙の意識です。
そして皆さんは この身体の素晴らしさを分かっていません。
身体には宇宙の歴史に関する 全情報が備わっています。
身体の細胞という細胞に、
祖先の存在を感じることができるのです。
人間の祖先だけではありません。
動物、植物、鉱物、ありとあらゆる祖先です。
この全祖先がこの身体に息づいています。
その弱さもその強さも、
皆さんは身体を当たり前に思っているかもしれませんが
実に不可思議なものなのです。
脳の新皮質は、とても洗練された器官です。
宇宙が一体となって作り出したこの未知なるものが
皆さんの身体なのです。
そして、自分の身体と通じ合うことができれば、
全宇宙と繋がることができるのです。
あらゆる祖先とも、そしてまた将来生まれてくる存在ともです。
それは、すでに身体の内に存在していて、
将来この世に現れてくるのです。
身体というこの神秘を、受け止めることができるでしょうか。
母なる大地は、あなたの内にあります。
足もとの地面ではなく、
周りの空気にでもなく、
あなた自身の内に存在しています。
父なる太陽もそうです。
あなたは太陽の光によってできています。
新鮮な大気によって、
清々しい水によってできています。
この神秘に気がつくと、この素晴らしさがわかると、
たくさんの幸せが訪れます。
呼吸をすると、身体に気づくのです。
身体がある喜びを 感じることができるようになるのです。
生命の流れと繋がり、
祖先たちと繋がることができるようになります。
身体には宇宙に関する全情報が入っているのです。
こうした気付きによって、
傷が癒え、豊かさに満たされます。
身体に立ちかえると気づくふたつ目は、
身体にこわばりや痛みがあるということです。
これは長年、 身体に溜めこんできたからです
長い間、身体を省みることがなかったためです
身体を苦しめてきたからです。
マインドフルな呼吸は、この事実に気づかせてくれます。
身体の苦しみを減らしたいと思うようになります。
だからこそマインドフルに息を吐くのです。
すると、身体のこわばりを解放することができます。
これは身体に直接的にはたらきかける、愛の行為です。
このようなマインドフルな呼吸は、
アーナパーナサティ・スートラ（入出息念経）に記されています。
息を吸い込むと、身体に気づきます。
息を吐き出すと、こわばりをほぐすことができます。
これが自分を愛するということ、身体とつながる愛の行為です。
とても具体的です。
質問は「どうすれば自分を愛せるのか」ですね。
自分を愛するとは身体の存在に気づき、 こわばりを手離すことです。
そうして息を吸い、息を吐くと、身体にマインドが戻ってきます。
そして自分を生き返らせ、癒してくれる
光や風や水という宇宙の各元素が
たくさん存在するということに思い至るのです。
喜びの感情を生み出すことができるのです。
自分自身を養う幸せを生み出すことができます。
これが愛するということです。
マインドフルネスを実践している人は、
喜びや幸福感を、簡単に生みだすことができます。
新鮮で癒してくれる数多くの宇宙の元素に
満たされているという事実があるからです。
今この瞬間、幸福を感じられる条件がいくらでも存在しています。
マインドフルな呼吸をすると、喜びの感情、幸せな感情を
たやすく生みだすことができるのです。
まさに、これが自分を愛するということです。
喜び、幸福の感情で自信を満たすことです。
マインドフルな呼吸によって
痛みを伴う感覚や、痛みのある感情が出てくるかもしれません。
でも、もうわかっています。
マインドフルな呼吸をすることによって、
痛みや悲しみに気づき、抱きしめることができるということ、
そして苦しみが減るということを。
1分、2分、3分間だけマインドフルな呼吸をすると、
痛みと悲しみを抱きしめると、苦しみを減らすことができるのです。
これが自分を愛するということです。
マインドフルな呼吸によって、 自分を愛することができます。
マインドフルな歩行でもいいでしょう。
苦しみに気づいたら、まず落ち着きを取り戻します。
すると、さらに先に進むことができるでしょう。
苦しみを抱きしめることによって、
苦しみに耳を傾けることによって、
その成り立ちを深く見つめることによって、
苦しみの根を、そのような苦しみを生み出した考え方を
見つけることができるでしょう。
自分の苦しみの成り立ちが見えてきます
すると、その苦しみには、
自分の父親の苦しみ、母親の苦しみ祖先の苦しみまでもが
含まれていると気づくでしょう。
自分自身の苦しみを理解することは、
父親の苦しみ、母親、祖先の苦しみを理解することです。
そして苦しみの理解によって、常に、必ず、共感が生まれます。
共感には癒しの力があり、
共感によって苦しみは軽くなるでしょう。
これも愛するということなのです。
そして、苦しみが軽くなると、他の人を手助けすることができます。
息子や娘、父親、母親、パートナーの苦しみを
軽くしてあげられるでしょう。
他の人の苦しみを理解すれば、
もはやこれ以上の苦しみを味わうことはないでしょう。
そして自分自身のうちにある共感のエネルギーによって
ほかの人々の苦しみを軽くしてあげたいという気持ちが生まれます。
そして、その人たちの苦しみが軽くなれば、
自分自身の苦しみも軽くなるのです。
そしてもっと喜びを感じることができます。
これが自分を愛する方法です。
そもそも、自分を愛する方法がわからなければ、
誰かを愛することはできないのです。
これがブッダの教えです。
自分を愛するというのは、とても具体的な行為なのです。
吸う息と身体の緊張を解放することによって
身体の面倒を見ることができます。
感覚と感情の面倒を見ることができます。
ゆったりと呼吸する。
自分の身体を感覚を味わい、寄り添っていく。
ただ、それだけなんですよね。真理ってとてもシンプル。
だから、難しく考えなくていい。
呼吸に戻ってくれば、それはもう「I'm home!!」なのだから。
身体を通じて祖先と繋がる、の部分はまさに体験したことなので
別の記事で書きたいと思います～。
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