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「見えない壁」に気付いた話

現在、フリースクールの開校に向けて、準備を少しずつ進めていますが、今日は、進めていく中での多くの「見えない壁」があったことに気付いた話をまとめたいと思います。というのも、「えっ!?」「なぜ!?」などびっくりすることが多く、色々と越えなければいけない「壁」があることを多くの人と共有したいと思い記事することにしました。ただし、全ての人に当てはまる話ではないこともまた認識しておりますので、同じような経験をした場合に参考にしていただければと思っています。


見えない壁の正体

先日、フリースクールを準備を進めている中で、多くの機関と連携を取ることの大切さについて以下の記事にまとめました。

「見えない壁」の正体は、「心の壁」です。

公教育の中に「前例がない事への拒否/不安」「不登校支援は既に行っているから大丈夫という自信」「フリースクールの存在を認めたくない心情」などの「不登校支援に携わる方々の心の壁」がまだまだ多く存在していることに気付きました。

教育支援センターにご挨拶を目的として電話連絡した時のことです。ご挨拶が目的で、今後フリースクールをオープンする予定である旨をお話させていただきたい旨を伝えた直後、一変して「教育委員会への話はしましたか?教育委員会に認められていないにも関わらずご挨拶されても困るので教育委員会を通して連絡してきてください。」と、一蹴されてしまったのです。※そんな言い方しなくても…とは感じつつ、その後、教育委員会へ連絡を入れました(笑)

フリーススクールを設立する/活動を開始するにあたって、教育委員会への挨拶は必須?と考え、もう一度調べ直した結果を共有したいと思います。

以前の記事でも掲載していますが、以下の3点はフリースクールを立ち上げる人はよく確認しておく必要がある資料として今一度共有します。

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①「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)


②不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行なった場合の指導要録上の出欠の扱いについてhttps://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf

③民間施設についてのガイドライン(試案)
https://www.mext.go.jp/content/1422155_004_2.pdf

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主に②の資料についてよく理解をしておくことが教育委員会/学校と連携を取る時に大切になります。

出席扱い等の要件
不登校児童生徒が学校外の施設において相談・指導を受けるとき,下記の要件を満たすとともに,当該施設における相談・指導が不登校児童生徒の社会的な自立を目指すものであり,かつ,不登校児童生徒が現在において登校を希望しているか否かにかかわらず,不登校児童生徒が自ら登校を希望した際に,円滑な学校復帰が可能となるよう個別指導等の適切な支援を実施していると評価できる場合,校長は指導要録上出席扱いとすることができる。
(1)保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。
(2)当該施設は,教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関とするが,公的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は,民間の相談・指導施設も考慮されてよいこと。ただし,民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどうかについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するものとすること。このため,学校及び教育委員会においては,「民間施設についてのガイドライン」(別添3)を参考として,上記判断を行う際の何らかの目安を設けておくことが望ましいこと。
(3)当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること。
(4)学校外の公的機関や民間施設における学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合には,当該学習の評価を適切に行い指導要録に記入したり,また,評価の結果を通知表その他の方法により,児童生徒や保護者,当該施設に積極的に伝えたりすることは,児童生徒の学習意欲に応え,自立を支援する上で意義が大きいこと。なお,評価の指導要録への記載については,必ずしもすべての教科・観点について観点別学習状況及び評定を記載することが求められるのではないが,児童生徒のおかれている多様な学習環境を踏まえ,その学習状況を文章記述するなど,次年度以降の児童生徒の指導の改善に生かすという観点に立った適切な記載に努めることが求められるものであること。

上記の文章の中の一文一文を少し丁寧に読み進めていきます。

公的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は,民間の相談・指導施設も考慮されてよいこと。

判断基準がどのようなものなのか?について疑問は残りますが、民間の相談・指導施設(フリースクール等)の位置付けは「最後」という意味合いでも取ることができます。

民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどうかについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するものとすること。このため,学校及び教育委員会においては,「民間施設についてのガイドライン」(別添3)を参考として,上記判断を行う際の何らかの目安を設けておくことが望ましいこと。

この文章が最も大切です。「校長が、設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断する」と明記してあります。実際には、要録上の出席扱いにしてもらうには、「校長が判断」であるとなってはいますが、その前提として、「市区町村の「教育委員会」がフリースクールの存在や指導の方法を認識していること」が重要な点であることを、フリースクールをやろう!と考えている方は知っておくことがまずは大切だと思います。この文章の理解から、教育委員会には話を通したのか?という様な発言になった可能性があるのだと考えられました。

一方で、教育委員会の一部としての位置付けで「教育支援センター」が存在することもまた事実であり、上述の態度「教育委員会に認められていないにも関わらずご挨拶されても困るので教育委員会を通して連絡してきてください。」は、不登校等の支援をする機関として、また、教育委員会の一組織として、よい対応であるとは決して言えないのではないかという個人的見解です。


見えない心の壁の乗り越え方(案)

上述の情報をきちんと得たうえで多くの機関と連携と取っていくわけですが、前述/後述の様な「心の壁」が大きく立ちはだかります。

*「前例がない事への拒否/不安」                  *「不登校支援は既に行っているから大丈夫という自信」        *「フリースクールの存在を認めたくない心情」

上記の様な対応はどの地域でもあり得るのではないかと思うのです。乗り越え方は様々だと思いますが、いくつかの方法論(案)を示していきたいと思います。

① 公教育に影響力ある人/具体的には市議会議員などに相談する

② 前例をつくることを楽しむ

③ (当然ですが)筋を通して、意見を建設的に交換する

④ 認めざるを得ないくらいの実績(実践と研究等)を積む

⑤ ・・・etc

上記のような感じだと思います。私は、①~④の全てを「やる」と決めて取り組んでいます。今回の時は、早速①の市議会議員に連絡を取り、フリースクールの取り組みの理解と協力を得たい旨を伝えました。特に子育てや教育に力を入れている議員に話をしていくと、話が進みやすい印象です。議会と行政の関係性を理解して動くこと、これは新しく何かを始める/協力者を得たいなどの際、方法論の1つとして有効です。基本的には「市議会議員=市民に選ばれた代表者」ですので、市民の意見を集約して行政の改善に役立てるという役割があるのです。しかしながら、どんなことでも話をすればよいというわけではなく、建設的に且つ多くの市民の為になる活動として話をしていくことがポイントになります。


まとめ

人の心の壁は正直高いハードルになっているんだと実感しました。しかし、ハードルがある方々とも協働できる体制づくりをしていくことが、みんなが住みやすい地域づくりにつながるのだと私自身は思っています。

医療機関で勤務していた時にも、最初、敵視していた/されていた人が最後は最も親しい仲間というのは何度も経験しています。きちんと向き合い意見交換を継続的にしていくことが必要なんだと思います。「敵視する=自分を否定されたくない/自分に近い存在が出てきた不安/新しい情報への心理的抵抗/価値の不一致」などが根本にあるのだと私自身が考えています。今回の対応はまさしくそうだったのではないかと思うのです。

自分の活動が多くの方に役立つと信じて行動はしていましたが、その延長戦所の1つとして周囲の人が皆、「賛同/同意」してくれるのではないかと、私自身も心のどこかで思っていたのではないかと反省しました。

心の壁がある人の心も理解を示しつつ、その方々の意向にも沿える地域として発展していけるように取り組んでいきたいな・・・。と思う出来事でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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