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「見えない壁」は予想よりも大きな壁だった

フリースクールをオープンし、10日が経過しました。オープンに向けて多くの方々のご理解ご協力をいただき心から感謝すると同時に、最も良い連携を取っていきたいと考えている機関との関係性の壁は思った以上に高いことを改めて認識したという話です^^;

見えない壁/本体との対面

以前、以下の記事を書かせていただきました。

フリースクールオープンに向けて書いた記事の中で閲覧していただいている状況が多い記事の一つです。この記事を書いた後、「大変そうですね…。」「本当ですか?」というような意見を色々といただきました。本当にありがとうございます。

本日は、上記の記事の続きです(笑)

上述の様に、フリースクールHIROをオープンして約10日。利用希望者の方々の体験利用も終了し、本入会/本利用希望をいただき、いよいよ地域の様々な機関と連携を取っていくぞ!!!と行動し始めました。

さて利用予定生徒さんがいる教育委員会&教育支援センターに行こう!とした時、先方の教育支援センターの先生方から以下のような連絡をいただきました。

フリースクールのオープンおめでとうございます。近隣地域にフリースクールが出来たことを本当に嬉しく感じています。当市の〇〇地区の生徒さんなどは近く通いやすいことからも利用される可能性があると思い…今度ご挨拶にお伺いさせてください。 また、当支援センターを利用している方の中で小学〇年生のお子さんがいるのですが…そのような方の利用相談も受けていただくことは可能でしょうか?

と、なんと!なんと!支援センターの先生方から連絡をいただき・・・恐縮すると共にとても嬉しい連絡でした!

その数日後、当スクールがある市の教育委員会&教育支援センターへきちんとアポイントメントを取った上でご挨拶に行ってきました。

「フリースクールHIROの中里と申します。以前ご連絡させていただきました様に9月2日に無事にオープンさせていただきました。既に市内の生徒さんの利用希望などもいただいており、今後連携を密に取らせていただきたいと思っております。相互に情報共有などさせていただきながら、進めさせていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。」

という挨拶をしてきました。

教育委員会の担当者の反応はというと…

「こちらこそどうぞよろしくお願いします!先日ホームページも見させていただきました。今後改めてご連絡させていただくこともあると思いますのでよろしくお願いします。」

というまずまずの反応でした。

教育支援センターの担当者の反応はというと…

「はい…はい…。よろしくお願いします。」

名刺を渡してもいただくことができない。反応は希薄^^; という感じでした。ある程度は予想していた結果ではあるので、気になりません(笑) そして次の一手!

「近隣地域の〇〇市の教育支援センターの先生方からは既にご見学・連携等の連絡をいただいておりまして…近く必要に応じてご見学等にもお越しいただければ幸いです。」

と伝えたとこと。

「はい。」

という反応 (笑)

見えない壁との初対面はこんな感じでした♪ 予想通りと言えば予想通りでしたが、壁を超えた先にある連携について想像しつつ今後も取り組んでいこう!と思った次第です。 


見えない壁は本当に大きな壁

次に、本入会後の教育支援センターとの連携方法/情報共有の確認の為に、連絡を別日に行いました。ご挨拶をさせていただいたお礼と共に連携方法についての確認です。

教育支援センターへ以下の様に連絡

先日はお忙しいところご挨拶のお時間をいただきましてありがとうございました。改めてになりますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日は1点確認とお伺いさせていただきたいことがありお電話しました。5分ほどお時間いただくことは可能でしょうか? → はい。 → 本入会の希望連絡をいただいた生徒さんがおり、今後の連携/情報共有等についてご相談です。所属中学校の校長先生や相談員さんとの連携については要録上の出席として認めていただけるかどうかなど、色々と指導内容等の報告なども含め、直接ご相談等をさせていただく予定としておりますが、市内の生徒さん情報ですので、保護者の方々の了承のもとにはなりますが、必要に応じて生徒さんの状況等を共有させていただいた方が良いかと思っているのですが…。いかがでしょうか?

教育支援センターの反応

「必要ありません!」

と…。一言のみ。

何がそのようにさせているのか…教育支援センターが考えていることやその想いなどが分からないので、何とも言えませんが、個人的には「本当に大丈夫?」と思ってしまいました。

以前の記事でも書きました様に…

*「前例がない事への拒否/不安」                  *「不登校支援は既に行っているから大丈夫という自信」        *「フリースクールの存在を認めたくない心情」

様々な心情等があるのではないかと考えています。相手の立場になって考えた際、「必要ない」というというのは、どういった情報が基になっているのか…それは、あくまで想像を超えませんが、「校長が、設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断する」と「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に明記してあるため、「必要ない」になったのではないかと思うのです。

一方で、教育支援センターの定義や役割はというと…以下の記事に明記してあります。

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2016/files/release20161027_04/matome.pdf

教育支援センターは、集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む。)を行うことにより、不登校児童・生徒の在籍校への復帰を支援し、社会的自立に資することを目的とした学校外の施設である。

そして更に、以下の通知の(3)教育支援センターの整備充実及び活用にて、通知として以下の様に書かれています。

(3)教育支援センターの整備充実及び活用
1.教育支援センターを中核とした体制整備
今後,教育支援センターは通所希望者に対する支援だけでなく,これまでに蓄積された知見や技能を生かし,通所を希望しない者への訪問型支援,シートのコンサルテーションの担当など,不登校児童生徒への支援の中核となることが期待されること。

また,不登校児童生徒の無償の学習機会を確保し,不登校児童生徒への支援の中核的な役割を果たしていくため,未設置地域への教育支援センターの設置又はこれに代わる体制整備が望まれること。そのため,都道府県教育委員会は,域内の市区町村教育委員会と緊密な連携を図りつつ,未整備地域を解消して不登校児童生徒や保護者が利用しやすい環境づくりを進め,「教育支援センター整備指針(試案)」(別添4)を参考に,地域の実情に応じた指針を作成し必要な施策を講じていくことが求められること。
市区町村教育委員会においては,主体的に教育支援センターの整備充実を進めていくことが必要であり,教育支援センターの設置促進に当たっては,例えば,自治体が施設を設置し,民間の協力の下に運営する公民協営型の設置等も考えられること。もとより,市区町村教育委員会においても,「教育支援センター整備指針」を策定することも考えられること。その際には,教育支援センターの運営が不登校児童生徒及びその保護者等のニーズに沿ったものとなるよう留意すること。
なお,不登校児童生徒への支援の重要性に鑑み,私立学校等の児童生徒の場合でも,在籍校と連携の上,教育支援センターの利用を認めるなど柔軟な運用がなされることが望ましいこと。
2.教育支援センターを中核とした支援ネットワークの整備
教育委員会は,積極的に,福祉・保健・医療・労働部局等とのコーディネーターとしての役割を果たす必要があり,各学校が関係機関と連携しやすい体制を構築する必要があること。また,教育支援センター等が関係機関や民間施設等と連携し,不登校児童生徒やその保護者を支援するネットワークを整備することが必要であること。

上記の教育支援センターの役割等を考えると、「教育支援センターはその地域における不登校児童生徒への支援の中核となること」は当然のこと、「教育支援センターと民間施設(フリースクールも含まれる)と連携し、不登校児童生徒や保護者を支援するネットワークを整備する必要がある」と読み取れると思います。

これは私の個人的意見ですが、「必要ない」の理由は「ない」のかな。と。教育委員会の一部としての位置付けで「教育支援センター」が存在する以上教育委員会の責任にしたいのか…自分たちで支援を充分にやっているから…やはり認めたくないのか…これは想像を超えての正確な回答がないのが現状です。

しかしながら、前例がないことに対しての壁は予想よりもはるかに大きな壁だった!ということは確かです(笑)


壁は乗り越えるためにある

私個人は、この壁は乗り越えるべき壁であると感じています。

フリースクールの存在を「認める/認めない」という話ではなく、現に学校に行くことが難しい状況にある地域の子ども達が多くいること。公教育という現場でできること、そのメリットとデメリットをもっともっと私自身も勉強しようと思っています。そして、フリースクール等の民間機関にも出来ることできないことが存在すること。どれもがパーフェクトな教育や学びを出来るわけではないのだと思っています。

だからこそ、地域の中に多くの選択肢があること、なければ増やしていくこと、教育に携わる大人達がその子どもの居場所や学習の機会を積極的につくっていくこと、そしてそれを地域の人たちが認識できて自由に選択できる仕組みが出来るようになることが大切じゃないかと感じています。

責任の押し付け合いではなく、協働して取り組んでいきたいと思っています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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