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プロジェクトについて考える【コミュニケーション編】

皆さんこんにちは、freeeでカスタマーサクセス(法人/IPO)を担当している者です。

freeeは7月からが新年度です。私は担当領域が若干変更に。いままではサクセスのすべてのフローに関わっていましたが、7月からは契約後半年後以降のお客様を担当することになりました。これを機に、今年7月までの3年3ヶ月関わってきたOnboardingについて書いてみたいと思います。

ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、freeeはもともと個人事業主の確定申告用のシステムという出自を持っています。それゆえ、昔はsalesが存在せずmaketingのみで製品が販売されていました。そこに法人向けプランが誕生→inside salesの組織が誕生→さらに3年半ほど前に大きめの法人向けのプランと専門のsales&successのチーム・MMが誕生、という変遷を辿っています。
私はこのチームが出来た3ヶ月後、追加のサクセスメンバーとしてアサインされました。MMという組織が出来たものの、その中にSaasの法人Sales&Successの経験者は私を含め、いませんでした。手探り以外の何者でもありません…。SalesがなんとかOnboardingを有料をなんとか売ってきたのに、Success側はOnboardingの手順すら整理出来ていない。初めはそんなこともありました(今だから言える)。もちろん、全然うまくいきませんでした。笑
結局チームが出来てから1年半くらいは試行錯誤していたんじゃないかと思います。

さて、前置きはこのくらいにして、その試行錯誤の過程で私が身につけた「プロジェクトはここを大事にするとうまくいくことが多い」というtipsのうち、私の得意分野であるコミュニケーションについて、紹介します。

プロジェクトとは?

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基本的にどのOnboardingプロジェクトも同じフレーム・同じ流れで実施することになりますが、関わる人とゴールが異なるので、それぞれのプロジェクトに独自性があります。

理想のプロジェクトとは?

①顧客主導である
②QCD(Quality,Cost, Delivery)が現実的である
③経営層がプロジェクトにコミットしている
④目的が経営上の戦略と合致している
⑤コミュニケーションを惜しまない

Onboardingプロジェクトを本格的に始める前に、必ず「顔合わせ」をするのですが、そこで上記のうち最初の4点のすり合わせを必ずします。

プロジェクトマネージャーに必要なスキルとは?

①認知力
②コミュニケーションスキル
③マネジメント力

上記3つだけではもちろんありませんが、複数のステークホルダー(社内・社外)のことを認知してコミュニケーションを取る。それをプロジェクト全体を通してモニタリングしていく、というスキルが必要になります。

これらのうちの特に②について、私がプロジェクトを進める上で大事にしていたこと、かつあまり本などにも乗っていないことをお話しようと思います。③については『プロジェクトを成功させる実践力が身に付く本』などが参考になるかと思います。

顧客の性質を見極める

私は副業でコーチングスクールの講師やコーチをやっているのですが、コーチングの勉強をする中で「6 HUMAN NEEDS」というものの存在を知りました。

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人間の欲求は大別すると6つの感情的ニーズにいきつく、という話です。6つの感情的ニーズとは、①確実性 ②不確実性 ③重要感 ④愛とつながり ⑤成長 ⑥貢献 で、⑤と⑥は①〜④が満たされたあとにやってくる高次元ニーズだそうです。そして、このうちの2つが満たされると、人は中毒になるとのこと。

確かに、私はももクロが大好きなモノノフなのですが、彼女達のライブは①〜④の全てを満たしてくれます。(①は安定のライブクオリティ、②はサプライズ演出、③はファンクラブ会員への手厚い待遇、④はモノノフさん同士の交流やファン想いの演出)

それはさておき、これを知った時、顧客とのコミュニケーションにこれを応用したら、顧客とプロジェクトマネージャーとの信頼は絶大なものになるのではないかと思いました。

そこから、私は顔合わせ時に全神経を使って顧客の感情的ニーズがどこにあるかを探るようになりました。

顧客のニーズを探る具体的な方法

顧客のニーズを探る方法のステップは2つです。

①顧客の好きなもの、好きなことを見つけて
②それの何が・どこが好きなのか知る

①について、具体的にはまずこちらから自己紹介をします。その際、相手の感情が動きそうなネタをちりばめておきます。例えば、自分の性格(星座や家族構成などをフックに説明する)、入社動機(前職の入社動機や転職動機を含む)、趣味などです。このうちのどれかに相手が共感してきたら、そこから話を広げます。もし特に相手が話に乗ってこなかったとしても、今度は同じような話を相手にしてもらって、その中から自分が共感できるポイントから話を広げていきます。

次に②についてですが、例えば同じ「ももクロが好き」でも、ももクロの「どこが好きか」を知るのが重要です。いつライブに行ってもハズレがないのであれば、その人は「確実感」を重要視しています。サプライズ演出が好き、なのであれば「不確実感」を重要視しています。ですので、好きなものの「どこか好きか」を特定していきます。

顧客に合わせたコミュニケーションをとる

そして、6つのニーズのうちのどの要素が強いのかがわかったら、あとはそれを満たす話をし続けてあればよいのです。

例えば、「確実感」の要素が強い人については、これまでfreeeを導入してうまくいっている事業所の事例を多く出してあげ、数字で補強してあげる。「不確実感」の要素が強い人には、これからの開発構想の話をしてあげる。といった具合です。(声のトーンや話すスピード、自分のキャラも、これに加えて変化させています。)
これができると、顧客はとても安心をして、こちらを信頼してくれます。信頼感がうまれたら、プロジェクトは2倍も3倍も円滑に進みやすくなります。

もちろん、プロジェクトがうまく進む要素はこれだけではありませんし、私は比較的小さめの事業所を多く担当してきたので、大規模事業所でステークホルダーが10人も20人も出てくるようなプロジェクトではこのような手法は通用しないかも知れません。
しかし、少なくともこれがプロジェクトを成功させる第一歩になるという確信は持っています。

この他にもコーチングの要素がプロジェクトを進めるにあたり役に立つことは沢山ありますので、また時間を見つけて書いていきたいと思います。

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