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小川未明の牛女は泣ける

児童文学での偉大な功績を上げた
小川未明は、日本の児童文学の発展に多大なる貢献を果たした作家です。 「日本のアンデルセン」や「日本児童文学の父」といった称号が与えられるほど、その功績は広く認められています。 1926年に童話作家への専念を宣言して以来、未明は数多くの名作を生み出しました。
令和の人間からしたら古すぎて「なにそれ?」という所感かと思いますが、幼少の頃、日本昔話のアニメ(オープニング曲で龍に乗った子供が出てきました。)を観るために早起きしたものとしては改めて大人になって読む童話は非常に教訓が詰め込まれており涙なくしては読めないものと常々感じております。
皆さんが親しみがあるのはアンデルセンでしよう。白雪姫やいばら姫、親指姫、ラプンツェル、シンデレラなどディズニーで有名です。
実は原作を見ると非常に残酷な話なんですよ。シンデレラの意地悪な姉達は硝子の靴を履くために指や踵を削ったりシンデレラが結婚したら下女としてメイドのようなキラキラしたものではなく目をくり抜かれて奴隷のような扱いを受けて非常に痛々しい。シンデレラは実は商家の娘で隠しておいた金の毛皮や銀の布を纏って王子の心を射止めました。強かで継母から勉強も制限されて出来なかったのに強いメンタルで結婚を掴み取る人柄ではなく行動描写に注力しているところなど教訓として面白い。
昔は残酷で自然や動物や他人からの無情な処遇が人々に襲いかかり読んでいて痛々しくも現代に生きる自分のちっぽけさに気づくきっかけにもなるのではと思います。
どんなにきらびやかで有益な言葉を並べたとして抗えないものがある世の中を感じるといいますか…昔の人も感じていたのに現代でも感じるのは読んで共感したりと面白いんですよね。
今回お話したいのは小川未明という日本の童話を牽引した著者が書いた牛女です。
これを読むと私の母を思い出します。母は非常に健康で家では喋り倒して歌はうまいが選曲が古くて私には理解できない歌を歌いながら家事をして早寝早起きの母でした。しかし外面は牛女のようなところがあって読むと母を思い出してしまいます。
詳しくは青空文庫で読めます。
感想は息子が出世して嬉しく思うけれど牛女が先立っても幽霊として息子を心配して村に現れるのは物悲しくも母の気持ちともし自分が息子なら村に行って牛女に会いたいとウルウルしました。村の人が囃し立てる描写があるのですが農村(勝手に推察)の小さな部落ではありがちで煩わしく思うところだなと思いました。
恐らく今、田舎に住んでも今の会社の雰囲気も似たように一つの噂や発言が口伝えで周りには伝わり大きくなるようなところが特有だなとしみじみ思いました。それは田舎に行けばいくほど密接でしょう。現代の気薄な人間関係を幸せに感じるいいきっかけになりました。
Googleで「牛女 小川未明」で検索しても出ますので良ければ読んでみてください。私の母に激似な牛女の話です。
ではまた

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