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『皮肉過程理論』から考えるメンタル回復方法

突然ですが、シロクマのことを考えないでください。

多くの方は、シロクマのことを思い浮かべてしまったと思います。
「○○のことを考えないでください」と言われても実際に○○のことを考えないようにするのは難しいことを示したのが『シロクマ実験』です。

シロクマ実験から導かれる「○○について考えないのは無理」という事実を使って、凹んだメンタルを回復する方法を説明します。学生・社会人関係なく使うことができる方法です。使うのは、思考だけなので準備もいりません。

✅シロクマ実験

『シロクマ実験』は、アメリアの心理学者ダニエル・ウェグナーによって実施された記憶力に関する実験です。

被験者はA、B、C、3つのグループに分けられてシロクマの1日を撮影した映像を見ます。
その後、3つのグループにそれぞれ別々のことを伝えます。

Aグループ:シロクマのことを考えてください。
Bグループ:シロクマのことを考えてもよいし、考えなくてもよいです。
Cグループ:シロクマのことを考えないでください。

一定時間後、シロクマに関する記憶力のテストを実施します。
感覚的にはAグループがもっともシロクマのことを記憶していそうです。
しかし、一番記憶していたのはCグループでした。

この実験から導き出された、
「考えないようにしようと思えば思うほど、かえってそのことを考えてしまうこと」は『皮肉過程理論』と名付けられました。

✅実生活への応用

考えないようにするとかえってそのことを考えてしまい、より記憶に残ってしまいます。

失恋してしまったとき、「あの恋は忘れよう。」と考えれば考えるほど思い出が蘇ってきませんでしたか?

プレゼン前、「プレゼンのことを考えると緊張してしまうから考えないようにしよう」と考えれば考えるほど、緊張しませんでしたか?

そういった状況は『皮肉過程理論』に当てはまります。

さて、ではトマトのことを考えてください。

どうでしょうか。
トマトのことを思い浮かべるとき、頭の中にシロクマはいましたか。
おそらく、トマトのことを考えているときはシロクマは出てこなかったと思います。

ここがポイントです。
『○○について考えないようにしよう』と考えるとかえって記憶に刻まれてしまいます。なので、思考を避けるのではなく、別の思考をぶつけてみてください。

失恋してしまったとき、「あの恋は忘れよう。」と考えるのではなく「次はどんないい人を見つけようか。」と考えると、前の恋は思い浮かびません。

プレゼン前、「プレゼンのことを考えると緊張してしまうから考えないようにしよう」と考えるのではなく「いったん別の仕事を片付けてしまおう。」と考えると、プレゼンは思い浮かびません。

つまり、メンタルがマイナスの状況になっているときは、マイナスの原因を考えるのではなく、全く別のことを考えることでメンタルを回復させることができるということです。

私も実践してみました。確かにマイナスな思考を取り除くことができましたので、皆さんも実験してみてください。

✅暇をなくすというのも手

時間があるときは、頭の中でいろいろ考えてしまいます。
マイナスなメンタル状況だと、そのことについて考えてしまう頻度が高くなります。

そういった場合は、空き時間をなくして別のことを考える状況を作るというのも一つの手だと思います。

映画やアニメを見ているときは、たまにマイナスな思考が思い出されてしまいます。身体を動かすような予定の方が、マイナスな思考が浮かばないというのが私の実体験です。

✅まとめ

嫌なことを考えないようにすることはできません。
考えるのを避けるのではなく、別のことを考えましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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