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インド手工藝ものがたり~パシュミナ1~

FRANGIPANI Culture Workshop
~パシュミナ編~を開催しました!


12月16日と17日で、パシュミナとカーペットの展示会、勉強会イベントをDiaParkHotelの地下会議室にて開催させていただきました。

誰も今は信じてくれませんが、小さい頃から、内向的で、人前に出るのが苦手な、自己評価が低いめんどくさい子どもでした。
なので、イベント企画というとそれだけで「頑張らないといけないモード」にスイッチ替えしないといけなく、「周りに押されてイベントする女」のまま、これまた今まで来てしまいました。
今回も、「周りに押されて感」はあったのですが、予想以上に盛況だったのと、やっぱり年齢なのかなぁ?「次は何をやっちゃおうかしら?」と考え出した自分にちょっとびっくりしました。

お客様から、
「パシュミナのことを全く知らずに参加しましたが、とても興味深く、とても魅了されて早速一枚購入させていただきました☺私の手工藝の概念が変わりました。 また素敵な手工藝の世界のお話しを聞けるのを楽しみにしています☆」
こんなコメント頂いちゃった日には、心身がとろけてしまいます。
(Mさん、ありがとうございます!)

私がモノを見つける時にこだわるのが、

  1. できるだけ中間業者を通さず、末端と繋がる

  2. おおもとの原材料に何を使っているかを見極める

  3. 取り扱っている人の「心ができるだけ綺麗そうな人」と繋がる

事、なのですが、

パシュミナも、品質は当然、「毛の品質」に行き着く訳です。

パシュミナはなぜ良いのか?

パシュミナは、まず、「山羊」の毛です。
正式名は、ウシ科に属する「Capra hircusカプラ・ヒルクス種」で、

Pashmina Goat

ヒマラヤ山脈の中国、モンゴル、チベット、ラダック渓谷に生息しますが、通常、直径15ミクロン~19ミクロンと言われる中、ラダックの山羊は最も細い12ミクロンの毛を有し、最も品質が良い、「アーリーパシュミナ」と呼ばれます。

簡単に説明しますと、
カシミールの山羊が高地に行くにつれ、ヒマラヤ山脈の過酷な環境から身を守るために、体表面積が小さくなり、生えている毛が軽くなっていきます。
軽くなるという事は、毛が細くなっていく上に、毛の中が空洞にもなっている!という驚きの自然摂理の科学です。

私たちは、「厚手のウールが暖かい」と思い込んでいる節がありますが、この科学からすると、「薄くて軽いのに、標高4,000メートルでも大丈夫な暖かさ」これが、パシュミナ山羊の他の動物の毛と圧倒的に違う「毛」なのです。

この「毛」が「毛糸」になるのですが、ラダックには、山羊を飼う山岳民族はおりますが、毛糸にする技術と、この細い毛糸を布に織る技術がありません。

ここに、700年前から、イスラム圏イランと交流があったカシミールの職人技が活かされる、という訳です。

パシュミナの見分け方

ワークショップで「パシュミナの見分け方」をお伝えしましたが、

  1. とろける肌さわり

  2. 羽織ると直ぐ感じる暖かさ

  3. 細い毛糸を両指で引っ張った時の、すっと裂ける感じ

やっぱり、ホンモノをたくさん触ったり見たりする事で、偽物を見分けるの目を養っていくしかない、と思います。

もう一つ、昨今気を付けた方が良いのは、ナイロン化繊をパシュミナの毛糸に絡ませると機械で織る事ができ、それを薬剤液のプールに浸すと、化繊が溶けて薬剤プールの下に固まり、残ったのは「パシュミナ100%の毛織物」というモノです。こういう事ができるのは、デリー・グルガオンにショップを構えられるカシミール富裕層業者です。彼らは良いモノも作りますが、こういったモノまで作れます。ですので、あまりにも、薄くて手織り感の無いモノは、「化繊溶かし機械織パシュミナ」だと思ってください。

髪の毛は200ミクロンと言われる一方、アーリーパシュミナ山羊の毛は12ミクロン、こんな細い毛を糸にして織るには熟練した人の手で織る事しかできません。

パシュミナを語るとまだまだ長くなってしまうので本日はここまでにします。

これから、少しづつ、インド手工藝のものがたりを書いていけたらな、と思います。




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