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読書のきろく

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おもに読了後の感想や解釈。すてきな表現は引用します。
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2019年4月の記事一覧

しゃぼん玉(乃南アサ)

犯罪を繰り返す不良少年が更生する物語、と言ってしまえばそれまでだけど、ラストは何度読んでも涙が止まらない。超おすすめです。

主人公が通り魔をする場面から始まって、酷い奴だなあと共感できないまま読み進めていくと、主人公は田舎のおばあちゃんに出会う。このおばあちゃんをはじめ、椎葉村に住む人たちの方言がとても良かった。すごくいいことを言ってるけど、方言によって堅苦しさが緩和されて、心に染みていく感じ。

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A2Z(山田詠美)

山田詠美を読むのは初めてで、「僕は勉強ができない」と迷った結果、こちらを選んでみた。

共に文芸編集者である夫婦が、お互いに恋人を作ってしまう話。ストーリー的にはあんまり印象に残らなかった。26個の単語で物語が進んでいく形式が特徴的。発想は新しかったけど、そうする意味があったのかどうかは微妙…。

恋すると年齢とか関係なくなるんですね(笑)こんな自由すぎる夫婦のカタチもあるんだ〜と思った。結局はお

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