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読書記録。~生きるためのヒント~

『怠けてるのではなく、充電中です。——昨日も今日も無気力なあなたのための心の充電法』
ダンシングスネイル・著
生田 美保・訳

韓国エッセイ2冊目のレビュー。
この本と出合ったのは春休みの頃。
神経性やせ症の診断が出され急遽実家での療養をすることとなったものの、「休む」ことが分からないまま帰省。
好きなことをする自分が嫌になり、自己嫌悪に陥っていた時、この本のタイトルに惹かれました。

不安で押しつぶされそうになった時、自分を大事にできないと思った時…
この本は私に、生きるためのヒントをくれるのです。

完璧主義のきらいがある人が一番気をつけないといけないこと、それは
今の自分は不完全だから もっとよくならなくてはと
すぐそこにある価値まで見失ってはいけない、ということ。
『怠けてるのではなく、充電中です。——昨日も今日も無気力なあなたのための心の充電法』
p.48-50

このページのイラストが切ない。あんなにもロマンチックな流れ星が、実は役目を終えた星が夜空を流れて燃え尽きているのだという話を聞いたことを思い出します。

「大丈夫じゃないときは大丈夫じゃないって言ってもいい停留所」があったらいいのに。
そこには「大丈夫じゃなくても大丈夫だよって言ってくれる人」がいたらいいな。
『怠けてるのではなく、充電中です。——昨日も今日も無気力なあなたのための心の充電法』
p.87

「大丈夫?」と聞かれ、「大丈夫じゃない!」と堂々と言えたことは、私にはありません。
どんなに大丈夫じゃなくても、今にも助けが必要な状況でも、自分で何とかしないといけないと思うとつい「大丈夫だよ」と答えてしまう。
多くの人が経験すると思うのです。

本当は助けてほしい。こっちを見て、心配してほしい。
そんな思いを隠し続けてきたら、いつからか助けを求める方法が分からなくなりました。

そんな私が大学に入って分かったことは、
当たり前だけど結局、言葉で意思表示することでしか助けを求めることができないということ。
それが私にはできなかったのだから、誰からも本気で心配されたり、「休んだ方がいいよ」と言われることもなく、限界になるまで自分の心身を傷つけてしまったのです。

食事量が減ったことは、コロナ禍の影響で見えにくかったかもしれない。
見た目の変化だって、痩せていく一方とはいえ分かりやすいものではない。
大学でも実家でも食べることへの恐怖心を打ち明けることができず、誰かに勧められる前に自分で大学の保健センターに行く始末。

だから、助けを必要としてくれる人がSOSを出せるはけ口が必要。
全国の相談窓口とか、学校の相談室とかもあるけれど、そこに足を踏み入れるまでに高いハードルがあったら精神的に追い込まれている人は近づけない。

私が誰かにとって心から信頼できる相談相手になれたらそれは理想だけど、きっと簡単ではない。
その代わり誰かに、「この人になら助けを求めてみてもいいかもしれない」と少しでも思ってもらえる相談相手になれるならそれでいい。

この夏休み、読書ノートを始めて最初に記録したのが
この本でした。

可愛いイラストと共感を呼ぶエピソードの数々。そして具体的なアドバイスはどれも、「ちょっと挑戦してみようかな」と思わせてくれるものばかりです。

必要ないことで悩み続け、つい手が止まってしまい…
気がつけば時間だけが過ぎていくようなとき、その悩み事を消す必要はないと教えてくれます。
ネガティブな気持ちを無くすことができないと気がつき、認めることができます。

その代わり今の悩みを別の視点でも見てみることや、いっそ悩みと関係ないことで記憶を上書きすることだってできる。

そんなやり方で心を整えて、忙しい日々を乗り切れたらそれでいいかなと思います。

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