見出し画像

私の00smusic#53

#521 Kids by MGMT

コネチカットにある大学在籍時に結成された音楽ユニットのメジャーデビュー作Oracular Spectacularより。プロデューサーは、デイヴ・フリッドマン。サイケな雰囲気とノスタルジーなメロディを持つ、懐古的なロックサウンドと今時のポップなデジタルサウンドを組み合わせた、当時では新しい感覚だった作品。リスナー界隈でもかなり話題になっていて、すごく人気があったという認識で、それに背中を押されて、レンタル屋さんで借りて、その後買ったような気がする。キャッチーで程度良くノレて、良い感じにチルにも向かう感じが良いですね。

#522 In the Morning by The Coral

イギリス北西部の海辺の町ホイレイクで結成されたロックバンドの4作目The Invisible Invasionより。デビュー当時から話題に上がっていたバンドでしたが、これがなかなか趣味が渋いというか、英国人のDNAでしか成立しない音楽というか。単純にルーツミュージックという理解で良いのか、アメリカのバンドなら、最初にザ・バンドを聴いた時の印象に似てるというか。これが60年代のアルバムというならね。でもこれを2000年代の20そこそこの子達がやるんだから、どういう育ちで、どういう音楽変換能力の高さなのか、自分にはまるで想像がつかなかったという。このアルバムが出る頃には、別にやってることがすごく変わったわけではなかったけれど、やっとその感覚が追い付いたのか、慣れたのか、こんなわかりやすく良い曲が入ってるので、このアルバムは好きでした。

#523 Oh Stacey (Look What You've Done!) by The Zutons

サックスプレーヤーも在籍するリバプールのインディロックバンドのセカンドアルバムTired of Hanging Aroundより。UKアルバムチャート2位にランクイン。プロデューサーは、一連のブラー作品やクランベリーズなどで関わっていたステファン・ストリート。知らなかったですけど、シングル曲Valerieは、エイミー・ワインハウスもカバーしたそうですね。ソウルフルで色気のあるギターロックという感じで、前作のもっといなたいインディロックという感じからすると、もっとグッと強度が増したスタジオ作品になったので、聴き心地の良さも刺激も上々、お気に入りの一枚。管系の楽器とソウル的なハーモニーが絡む聴き心地の良さは、なかなかギターロックの世界ではないので、新鮮で最高ですね。

#524 Hold Me in the River by Brakes

Electric Soft Paradeのホワイト兄弟が、Sea Powerでキーボードを弾いたりしていたイーモン・ハミルトンのソロライブを観に行った時に勧誘して、一緒にバンドを結成したそうで、本作はその2作目The Beatific Visions。当時、ESPと平行して、こんなバンドもやってたのを知らなかったので驚いたけど、聴いたら、11曲28分のガッツリギターロックアルバムだったので、それもまた意表を突かれた。販売元のラフトレード内では、ランキングされるくらい人気だったみたい。この次の3作目Touchdownも、もう少し開けた内容の佳作なので、またどこかで再起動して、新たな作品が聴けると嬉しいんだけどな。
※Spotifyにはなかったので、アルバムTouchdownからDo You Feel the Same?が載っています。

#525 Week in Week Out by The Ordinarily Boys

イギリスの南岸のリゾート地ワージングからのインディロックバンドのデビュー作Over the Counter Cultureより。メディアからは少しも目新しい部分がないと辛口な評価を得ていたらしいけども、ジャムとブリットポップを和えて、ポップパンクや裏打ちのスカなんかで料理して、楽曲をキャッチーに全振りするという、ロックのアートがどうこうはともかく、こんなの鳴った瞬間に斜に構えるより、楽しめなきゃ損損な雰囲気を前に出す憎めなさで、割りきってるんだろうなあ、みたいな。全然アリですよね、むしろ好き。

#526 Promises, Promises by Cooper Temple Clause

レディングに程近いウォーキンガムという町で結成されたロックバンドのセカンドアルバムKick Up the Fire, and Let the Flames Break Looseよりシングル曲。デビューの時に話題にもなって、メディアにも取り上げられて、そこそこ成り上がり感を感じさせてたところに、このメタリックなシングル曲がアルバム紹介導入部として入ってきて、それはなかなかインパクトがありました。全体としては、もっとずっと多様性があって、ロックだけではなくて、プログレッシブで、エレクロニカの世界観も強く、そんなにガンガンギターが鳴り渡ってるような作風ではなかったところで、意見が分かれる感じはあったんじゃないかなぁと思います。でも気骨のあるアルバム作品で、美学を感じさせる良い内容でした。

#527 Country Girl by Primal Scream

スコットランド・グラスゴーのバンドの8作目Riot City Bluesからシングル曲。個人的にあんまり接点がなかったバンドで、とりあえずやたら目にするScreamadelicaを聴いてはみるんですけど、その時は全然合わず、自分が聴く土俵ではないバンドとして認定され続け、その後、デビュー作のSonic Flower Grooveが良いギターポップ作品だということを知る意外な機会はありましたが、それっきりで。その後、接点があったのは、この時だけ。理由はもちろん、ストレートなロックアルバムだったから。

#528 Obstacle 1 by Interpol

デビュー作Turn On the Bright Lightsから。ストロークスに続き、ニューヨークのポストパンクリバイバルシーンから出てきたバンドというイメージ。印象は暗く冷えた憂鬱な雰囲気でありながら、ドラマチックで広がりのある、引き込まれていくような世界観。ストロークスでも聴いたようなロックギターサウンド、シューゲイザー的なリヴァーヴの利いた美しい響きだったり。アメリカのバンドだけど、元々の物理的な距離感含めて、このUKにずっと近い感覚は、ニューヨークバンドならではなのかも。

#529 Smokers Outside the Hospital Doors by Editors

イギリス・バーミンガムのバンドのセカンドアルバムAn End Has a Startより。UK アルバムチャート1位。プロデューサーはジャックナイフ・リー。デビューからすでに駆け上がるように人気が出ていったイメージですけど、本作ではUK発のポストパンクリバイバル的な立ち位置から始まったデビュー作の延長線上に置きながら、グッとサウンドスケープに広がりを見せて、すでにコールドプレイやスノウパトロールのような貫禄を獲得してみせたかような、正直2作目でこれかぁと唸らせる名盤域。

#530 Ashes by Embrace

英国ウェスト・ヨークシャーからのロックバンドの4作目Out of Nothingからのシングル曲。コールドプレイやトラヴィスらと共に、人気あるポストプリットポップバンドの1つで、98年のデビュー作ですでにプラチナムを獲得して、その後少し落ち着くものの、本作でデビュー作越えのダブルプラチナムに達するという、ほとんどのバンドがヒットしてもその後沈んでいく中で再び盛り返すという、ちょっと珍しいパターン。あんまり日本では聞かない名前ですが、それだけの楽曲の力量、安定感、壮大にして王道の叙情的UKロックバンド。


この記事が参加している募集

私のプレイリスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?