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安上がりなビジネスパーソン

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【今回はYoutube番組の内容のネタバレが含まれているためご注意ください】

ネットを見てると「タイパ」という言葉をよく見かけます。
「タイムパフォーマンス」の略で「時間対効果」と訳すそうです。

Youtubeの「新R25チャンネル」茂木健一郎さんと若新雄純さんがこの点について話されていました。

茂木さんは、秋元康さんや松任谷由実さんは忙しいはずなのに焦った素振りも見せないし、昔の電通社員は喫茶店の雑談の中から人気番組のアイデアを生み出していた、と言います。

その発言を受けて、若新さんは、フォーマットが作られていない時代は時間を気にせず雑談などの中から付加価値が生まれていたが、「売れる形」というフォーマットが一度できあがると、みんながそれを追いかけて量産する世界になっている。

したがって、コスパやタイパを意識するビジネスパーソンはそもそもフォーマット化された人で、一定の給与の範囲内で働いており、付加価値を生み出さない、時間の経過とともに価値が逓減していく存在では無いかと分析しています。

脳科学的に言えば、「計画立案」「戦略」「価値判断」はコスパが発揮されない脳の深淵で考えられており、そういう点で言えば「コスパ」「タイパ」は「脊髄反射」であり、「表現」で無くて犬のお手のような「反応」にすぎないとのことです。

これらを総括して「コスパがいいビジネスパーソン」とは「安上がりなビジネスパーソン」であると結論づけています。
安上がりだからこそ、企業が好んで採用したがる人になると言われると何とも切なくなります。

さて、私が仕事をしていた地方公務員の世界では、多くの部署の業務時間のほとんどが定型的な処理に費やされます。
したがって、いかに無駄なく脊髄反射で業務をこなしていくかが求められています。
そういえば、庁内研修などではタイパ・コスパが良くなるように学び、業務改善として手順の省略や様式の統一化などが推奨されます。
一方で企画部門が新規の提案を出してくると、業務が増えると考え非常に毛嫌いされます。
ここでいう業務が、実際の何かの活動では無く、書類事務であるところがいかにも地方公務員です。

今、地方公務員を退職して個人事業主となると、事務所経営としてやっていることは「計画立案」「戦略」「価値判断」ばかりです。
また、お客様と面談するヒアリングは、定型的な質問ばかりではないので、反射・反応では対応できず、脳をフル回転させながらやっています。
一方で、面談後の業務としては書類作成の処理業務が多くなるので、タイパ・コスパを意識した内容になります。

効率的な事務作業を行い時間を作って、戦略的な事務所経営を考える、という構造になるのかと思います。
これが組織だと、個人の中で分けるのでなく、部門などで分かれて、組織全体として効率的になるようにしているのだと思いますが、分けられるが故に企画部門と実行部門で上下関係になりがちなのかな、と感じます。

実際はタイパを一律に批判するのでは無く、何のためのタイパなのか、というところを自覚できるのかが大事なのだと思います。

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