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しっかり者の方が騙される

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消費生活センターに勤務していたこともあるので、消費者庁や国民生活センターが注意喚起として出す情報が割と目にとまります。

新聞ではトイレ修理の高額請求が記事になっていました。

・毎日新聞 2023/09/16 くらしナビ「トイレ修理で高額請求」

「水漏れ・つまり修理 関東最安値220円~」「最短10分で駆けつけます!」「明確な金額を提示! 追加料金一切なし!」と書かれていたので頼むと、最終的には25万円の請求。
払えない、と言うと「バカ!」と暴言を吐かれる始末。
別件では、最初に低額な見積もりを出してから作業中に「奥が詰まっているかも」「薬剤の投入が必要」など言われ、最終的には80万円の請求という例もあったようです。

X(Twitter)では、親から業者のチラシを見せられ、エアコン分解洗浄を頼もうか相談を受けた話が出ていました。

・つっきー(@psypsytuki) 2023/09/18

筆者が『”通常エアコン”って謳っているけど、通常の基準が不明確だから「これは通常じゃないタイプですね」と言われて追加料金になる可能性がある。あと”分解洗浄”って書いてあるけど分解した上で「ここも交換したほうがいい」と不安感を煽ってきたり、分解したエアコンを元に戻す時にこの部品は一度分解すると新しいものに交換する必要がある」と”後だし”で言ってきて追加料金が発生して断ると”エアコンを元に組み立てるための費用”を請求したり…』と、細かく説明する自分に流石の両親も途中で「うん。ここはやめておく」と、冷静に判断した。とのこと。

悪質業者というのはこうした後出しジャンケンで料金をつり上げてきます。

災害の後に流行るのは「点検商法」
屋根や瓦が壊れていないかドローンで無料点検します、と言って、ドローンを飛ばし、なんでもないような内容を大げさに言って高額な修理をさせたりします。
さらには火災保険が利用できると言って、保険サポートと称して高額な手数料の請求を取ります。

このあたりまでは、まだ「悪質」の範囲なので、法律違反とまでは言えません。

消費生活センターはあくまで中立な立場であっせんするだけなので、業者に居直られてしまうと、為す術がなく、国民生活センターへの報告までしかできません。
国民生活センターに同じ業者の報告や、同じ手口の報告が多数寄せられると、関係省庁と連携しながら今後の被害拡大がないように結構素早い対応をしてくれます。

これより大変なのが「特殊詐欺」です。
よく知られた「オレオレ詐欺」や「架空料金請求詐欺」「還付金詐欺」のほか、近年はやっているのは「国際ロマンス詐欺」です。
外国人を装い、SNSを通じて被害者に接近して一定期間交流し、恋愛感情や親近感を抱かせて金をだまし取ったり、一緒に投資をやろうと誘って金をだまし取ったりします。
これも少し前に流行っていた時によく注意喚起され、報道がいっぱい出たので下火になっていましたが、少し間隔を空けてまた流行りだしてきました。

・NHK富山「国際ロマンス詐欺の手口とは!」 2023/07/31

同様に過去に流行って一度下火になってから再び流行しているのが、「老人ホーム入居詐欺」です。
老人ホームの入居権が当たった、と電話がかかってきて、いらないと断ると、他の人に譲っても良いかと言われ了承すると、別の電話がかかってきます。
別の電話は「他の人に譲るのは名義貸しだ、裁判する」と脅します。
ここでさらに助けると称した弁護士などの電話がかかってきて高額の手数料を振り込まされる、などの手口です。

・Yahoo!ニュース「老人ホームの入居権詐欺の記事」 2023/09/18

こうした特殊詐欺の場合は、振り込んだ先の口座からすぐに引き出されてしまい、犯人の逮捕もなかなか難しいのが現状です。
悪質商法も特殊詐欺も相手からアクションがあってすぐに家族や知人に相談すれば、だいたい被害に遭っていません。
エアコン分解洗浄が良い例です。

相談しない人はだいたい「自分はしっかりしている」「自分は正しい判断ができる」と思っている人達です。
普通であればしっかり者は褒められる要素ですが、こと犯罪に関してはつけ込まれる元になります。
もしくは「家族に相談すると馬鹿にされる」「家族から怒られる」と思っている人もよく騙されています。

ちょっと立ち止まって考える必要がある時に、気楽に相談できてフラットに返事をしてくれる人はいますか?
何事もない今のうちに、身近な人とそんな関係作りをしてください。

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