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日本人だけど、アメリカでFPとして働ける?【キャリア相談回答3】

TwitterのDMで、大学2年生のAさんからFPに関するキャリアのご相談を受けました。

以前に私が受けた取材記事や、弊社のプレスリリースを見てご連絡くださったそうです。

・取材記事
「高校生の時からファイナンシャルプランナーになりたいと思っていました」

・プレスリリース
FP会社がリカレント課程の社会人大学生向けインターンシップを受け入れました!

いくつかご質問をいただき、せっかくの機会なのでこちらで詳細に回答していきたいと思います。
また期間が空いてしまいましたが、連載第3弾です。

≪アメリカ留学中のAさんからのキャリア相談シリーズ≫
FPは早くから「目指す」ものではないのか【キャリア相談回答1】
FPになるために、「まずは」金融機関に行くべき?【キャリア相談回答2】
日本人だけど、アメリカでFPとして働ける?【キャリア相談回答3】(本記事)
大学時代に資格を取得すると有利?学生時代の優先順位【キャリア相談回答4】

CFP®資格はアメリカで活用できる?

CFPの資格は国際的に通用するようですね。将来はアメリカで働きたいという目標があるのですが、活用することはできますでしょうか?また、働き方によっては、FPは「どこでもできる仕事」となり得るのでしょうか?

CFP®︎資格は国際ライセンスとなっており、世界24カ国・地域で導入されている資格です。(2019年2月現在)

ただし、注意しなければならない点があります。

日本で学習したことは米国で役に立たない

それは、CFP®︎資格の取得要件はあくまでその国・地域の認定機関(日本ではFP協会)によって委ねられており、日本の場合、取得にあたり問われる知識は概ね日本の法律や制度だけであるということです。

つまり、日本でCFP®︎認定者となった場合、取得までの学習で得た知識は海外でほとんど通用しない、ということです。

日本においてCFP®︎資格を取得する場合、まず日本国内の資格であるAFPの認定を受ける必要があります。
CFP®︎資格の認定を受けるにあたり必要な試験の受検要件となるためです。

AFP認定者となって受検資格を得たら、下記6科目の試験に合格しなければなりません。

・ライフプランニング・リタイアメントプランニング
・リスクと保険
・金融資産運用設計
・不動産運用設計
・タックスプランニング
・相続・事業承継設計

いずれも日本の法律や制度を前提として出題されますし、当然日本語で行われますので、資格取得のために学んだ内容はアメリカでは役に立たない可能性が高いでしょう。

どこでCFP®資格を取得するか?

アメリカでのCFP®︎の認定を受ける方法は存じ上げないのですが、最終的な目標として米国でFPとして活動していく意向があるのであれば、アメリカでCFP®︎のライセンスを取得することも良いと思います。

あるいは、日米比較して取得しやすい国で取得してしまう考え方もあります。日本の方が取得しやすかったとしても、資格取得のためと割り切ってしまい、実務ベースを米国で学ぶということも一つの選択肢としてあるでしょう。

考え方の違いですのでどちらもありです。
ちなみに、もし私だったら(もし米国でFPとして活動することを考えていて、もしネイティブなビジネス英語も苦なく対応できれば)前者をとるだろうと思います。

さらに、米国で活動するFPさんを見ると、CFP®︎以外にも米国内にさまざまな資格があるようです。以前私が日本FP協会でご一緒したBrittney CastroさんのInstagramにも、複数の資格名が記載されています。

日本人がどこまで取得できる資格なのかわかりませんが、取れるものは学生のうちに取得しておいて損はないでしょう。

なお、これらの資格取得方法については、後述の働き方の方向性により異なってくるでしょう。

■FPは世界中どこでもできる仕事か

同列されていたこちらの質問についても回答を述べていきます。結論から言うと、働き方次第で可能です。

「アメリカでFPとして働く」時に、大きく2つの方向性が考えられます。

1.テレワークで日本の仕事をメインに活動する(アメリカにいながら日本の仕事をする)
2.現地で活動する(現地の日本人・ネイティブの人を対象に仕事をする)

テレワークで活動する
さまざまなWEBサービスが発達した現代、場所にとらわれず仕事をすることも可能になってきています。

現在、弊社に所属しているFPもほとんどがテレワークで活動しています。
特に執筆業務は対面での打ち合わせなしでも十分業務が成立します。

講師業務や相談業務も、Zoomなどのオンラインツールを利用して提供することで、場所に関係なく活動することができます。

ただし、日本にいながら国内の仕事をするのと比較すると、アメリカにいながら日本の仕事をするのはやはり制約や非効率な部分が出てきます。
何かしらアメリカにいるアドバンテージを活かした活動(情報発信など)はしていきたいところです。

現地で活動する
語学力が十分に備わっているのであれば、現地で活動することはとても意義のあることだと思います。
特にアメリカで活躍している日本人FPとして著名な人はまだいないので、大きく差別化できるでしょう。

ただし、かなりの勉強が必要になることは言うまでもありません。
語学力がネイティブレベルまででない場合は、現地の日本人を相手にするのも方法としてあります。
日本人の多い地域では、そのように活動する税理士などもいると聞きます。

すべては方向性次第

以上、私の想定しうるCFP®資格についてとアメリカでのFPとしての活用についてまとめてみました。

選択肢は様々ありますので、ご自身が良いと思われる道を選ぶとよいでしょう。

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