見出し画像

新装備到着

 装備というと大げさというかアレだが、要するに電子ピアノが届いたということ。オークションで初めて落札できたというおまけつき。
 これで、自分でラッパを吹き自分で伴奏するという遊びをさらに楽しめる。コロナを機に前からやろうと思っていたこの一人duo、これまでのキーボードは貰い物でペダルをつけられなかったため、バラードみたいなのはちょっと難しかったのだ。
 わけあって、音楽はこれからも一人あそびをメインにしたいと思っているので、できる限り鍵盤も練習してみたい。

 

 実は、音楽に最初に触れたのは鍵盤楽器だった。子どもの頃にエレクトーンを習っていて、それがここまで音楽を趣味として音楽と連れ添うことにつながっている。
 今となっては、高校時代に始めたトランペットがメインになり、というかより厳密に言えばフリューゲルホルンがメインになり(ここ重要)、周囲からもピアニストやキーボード奏者と認識されてはいないだろう。でも、大学のときに入るサークルをオーケストラではなくジャズ研にしていたら、多分ピアノを選択していたんじゃないかと思う。18歳の時点では鍵盤に触っていた時間のほうが長かったからだ。
 そのせいか、ピアノという楽器に対しては、なくなってしまった自分の片割れというか、もしかしたらありえたかもしないもう一人の自分というか、そんな思いが今でもある。他の楽器にはない感情だ。


 鍵盤楽器のいいところは、管楽器と違い押せばとりあえず音が出ること、唇を振動させるわけではないのでバテづらいこと(流石にバテないわけではない)、そして主旋律から伴奏まで1人で完結できることだ。もちろん、うまくなければ完結などできないのだけれど。
 単音楽器であるトランペットでジャズをやるようになって以来、単独で完結できるというピアノの特性は常に憧れだった。正直、カルテットの編成であれば、全体の音楽を形作っているのは、フロントマンではくピアノとドラムだと私は思う。それくらい、現場のアレンジャーとして大きな役割を担っている。だからその分負担も大きいのだが、その汎用性と単独で完結できるという特性は憧れだった。

 もちろん、他人と合わせるのは素晴らしいことだ。その機会があれば私も喜んで誰かと音を出したい。
 けれど、時々辛くなるのだ。誰かと一緒でなければ音を出せないことが。


 音楽を楽しめるように、まずは一人できちんと音楽することを、今は考えたい。余計なことを考えずに。趣味なんだから。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?