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A子の結婚【結婚への道程】

A子姉妹プラス私。3人の孫娘の中で母方の祖母が一番力をいれていたのがA子の婚活。次にB子。

顔が広く、その地域ではヤリ手だった祖母は、孫娘が20代にはいると、お見合い相手を探し始めた。
ただし、私は10代最後に手術が必要な病気になったことにより、祖母から
「あなたはお見合いできないわね。釣書に病気のことが書けないから」
と、うちの母も公認のもと、最初から通告されていた。

病気になった私は事故物件だった。

何より人からの評価、体裁が気になる祖母。
そんな祖母に完全に洗脳されている母は
「あなたの娘なら自分で探せるから大丈夫よ」と、昔から祖母にとっては手のかからない良い娘だった、長女である私の母を言いくるめていた

昔から孫差別を一心に受けてきた私からすると「病気をした孫」を自分の責任において人には紹介できない、というだけの話だと割り切っていたが、祖母の熱心な信者でもある私の母は、
祖母の表面的な言葉だけにすがりつき、私に対しても「あなたなら大丈夫って、おばあちゃんが言ってるから」と、何度も聞かされた

そんな私を尻目に、20代前半のA子B子姉妹には、次々にお見合いの話が舞い込んだ
祖母からも母親からも「可愛い可愛い」で育てられてきたA子もB子も余裕をぶちかましていた

ふたりとも自分のことを、すごく可愛い、すごくキレイだと、信じきっていたので、相手の釣書を見ただけで、
「こんな学歴じゃムリ」「高卒とかムリ」「大卒じゃないと」「転職してる人ムリ」「市外ムリ」などなど。
相手の写真を見ては
「この人、生理的にムリ」「この人ただのオッサンじゃない?」「老け顔すぎる!」「ブサイク」
などなど言いたい放題。

見合いレースに参加の権利自体持っていない私の目の前でも、お見合い相手を散々こき下ろし、会う前から断り続けていた

だがしかし、
私は知っている・・・


A子もB子も中々のブスだった・・・


もはや意地の悪さが顔に出ていたからか

ほんとうにブスだったのだ!!

そんなブス姉妹の口から出るお見合い相手への罵詈雑言は、なかなかシュールな光景だった。

ただ、私はもともと太っていたことが原因で、物心つくかつかないかの頃から容姿いじりをされていて、「自信」とは無縁だったので、むしろどうみてもブスなA子B子が自信に満ち溢れている姿を羨ましくさえ感じていた。

なんの努力もせずに結婚相手としての候補が目の前に並ぶブス姉妹に羨望の眼差しを向けながら、
私は自力で努力をするしかなかった
結婚がしたければ、自分で探すしかない

でも、今思えばそのときに見放されていたことで
「自分で」どうにかしないと!の気持ちを強く持つことができたのは、結果的には良かった
何度も壁にぶち当たり、傷つき、失敗をすることもあったけど、20代のうちは、とにかく恋愛を楽しんだ。
病気がきっかけだったとはいえ、痩せてから男性からの扱いも変わったことにより、太っていた頃には考えられなかったようなキラキラした世界もそこにはあった

それでも私の心の奥底には【自分は事故物件】という意識がへばりついていたので、どこか、結婚とは無縁の、刹那的な恋愛を繰り返すこともあった
そんな私に、今こうして、家族を持つ未来が待っているなど、思いもしていなかったが。。。

さて、そんなこんなで当時、〔婚期〕といわれていた時期を完全に逃していたA子B子と私の3人。

そんな中で、「お見合い」は、年齢で大きく左右されるものだということも学ばせて頂いた
私には無関係だったお見合い話だが、20代後半頃にはA子B子にくるお見合いや紹介の話は一気に減っていた

そんな中、今の主人と出逢い、トントン拍子に話が進み、突然逆転ゴールを決めた私。

それを見てA子がかなり焦ったようで、
今までだったら見向きもしなかった相手との紹介話に乗り、イマイチピンとくるものがないまま、今までなら断るところを、後がないという気持ちと、私に張り合う気持ちからか、その男性をキープ。
一年間くらいキープ状態を保ったまま、どこか別のところから、ふいに王子さまが白馬に乗って迎えにきてくれることを待ち望んでいたようだ

だがしかし、そもそも自分から探しにいくこともなく、周りの人間が取り揃えてくるのを当たり前の顔をして待ち、批評だけする立場にいたA子を迎えに来るような王子などどこにもいるはずはなく、結局、一番身近なキープ王子との結婚を決めた

それが、ここに繋がる↓