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ここがヘンだよ!D2C!

去年はfoufouとして一番露出が多い年だった。WWD JAPAN、繊研新聞、日本経済新聞、日本テレビ シューイチともはやアパレルの枠を超えて取り上げていただくことがあった。もちろんそれはfoufouが注目されているわけではなく、世間的に「D2C」というものが注目されているということ。
僕がハンドメイド(そういえばハンドメイドもD2Cじゃね?)でfoufouを始めた2015年は欧米ではいわゆる「D2C」という言葉が使われていたが日本ではあまり見かけなかった。しかし2019年現在、世の中は口を開けば「D2C」である。

WWDさんはかなり深掘りしてくださっていたが、やはりその他のメディアは時間や枠も限られているため、DtoCの外枠だけの話が中心になり「それ全然本質じゃねえな」と思うことが多かったので今日はそれをつらつらと書いていこうと思う。

個人的には取材していただくことで「メディアで取り上げられやすい文脈」を持つことの大切さを勉強させていただいた。僕の場合、例え外枠だけの話で誤解したユーザーから流入があってもSNSを見ればどのように何を考え、どう取り組んでいるかを購入までに見てもらえる設計になっているので「誤解される」ことはないのではと思う。なのでメディアの捉え方を否定したいわけではなく深掘りすると中身はこんな感じという意思表示的な意味で書くよん。

DtoCを調べると、「Direct-to-Consumerの略で、自ら企画、製造した商品をどこの店舗も介すことなく自社のECサイトで直接顧客へ販売するビジネスモデルのことです。」とでてくる。うん、確かにその通りだ。僕も「卸売りを前提としてない」仕組みを作ることにかなり注力した。僕の場合は、「陰キャだから展示会とかマジ無理。」という理由が大きかったんだけども。

しかし違和感を感じたのはこの部分、「仲介業者を挟むことなく企画から製造・販売までをすべて自らで行うことで、無駄なコストを排除し、より価値の高い商品の提供を可能にしています。」
確かにその通りに聞こえる。しかしそりゃみんながD2Cをやっていない世の中であれば周りに比べ価格で優位になり「より価値の高い商品の提供」ができるのかもしれないが、前述したように「口を開けばD2C時代」の2019年現在では「価値」は飽和し、そこまでメリットにならないんじゃないかなぁ。

と、いうよりそもそも「生活必需品という意味での"服"ならともかく、"ファッション"という文脈においては"価格と品質"のバランス以上に"ブランドの魅力"」のほうが強いはず。だってみんな「これは同じ品質のものより価格が安いから、価値がある!よし買おう!」とは思わないでしょう笑

結局はブランドの一貫した世界観やサービス、発信に引き寄せられて最後の「購入」というトリガーを引く。頭ではどんなに妥当性や透明性や、背景に共感ができたとしても服は纏う必要がある以上、「心が動いていないと」購入には至らないはずだと思う。

つまり本質は、売り場がどこであろうと何も変わってない。
例えECでもどうやって「心を揺れ動かすか」が大事なだけ。と僕は思っている。

だから僕は少しポジショニングを変えて、あまり価格の妥当性や原価の話をすることを去年からやめていた。
それよりも心をどう揺れ動かすかのイメージや考え方、コピーの付け方を掴むように気をつけていた。

DtoCは捉え方と使い方次第で選択肢を増やすいい手段だと思う。
自分で実践していると一番感じるのは、前提として「ブランドとしての一貫した発信」があることは必須、むしろ卸し先の店舗もなく露出も限られるため普通のアパレルよりも重要になる。自分たちの手で発信し、関係を築いて、続けていくのは容易なことではなく自分のブランドやサービスのどこが強みかを見極めて選択肢として考えられるといいのではないかねえ

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