"学ぶ"を内省する、メタコグ二ション
米国ハーバードビジネスレビューに掲載された "The Transformer CLO (Chief Leanint Officer)" では、調査対象だった大企業19社において、人材開発の方針が変化しつつあるという。
これまでの学習ゴール = スキル開発
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シフトした学習ゴール = 予測できない事態において、より良いパフォーマンスが出せるための適応力とマインドセット
今までは、答えのある業務において、知識を繰り返し使うため、特定の知識やスキルを研修で身につけることで、成果が出せた。
しかし、ビジネス環境の変化が激しい中、誰も経験したことのない"事態"では、既存の知識やスキルは役にたたず、
ポジティブに好奇心をもって、正解の無い解を選択し行動できる、マインドセットと適応力をもつ人材が必要になってきている。
この記事では、能力開発の一つに、”社員の学ぶ能力の向上”をあげている。
組織は、すべての社員の学び、成長する能力を耕すべきだ
Organizations should cultivate every employee’s ability to learn and grow.
Abbie Lundberg George Westerman
"学ぶ能力"とは、具体的にどんな能力なのだろうか?
心理学者や、教育学者が重要とする学ぶ力に、メタコグ二ション(メタ認知)が、ある。
ケンブリッジアセスメントのLee Davis氏によると、
"メタコグ二ションとは、"考えていること"を、プラン、モニター、エバリュエイト、するプロセス”だという。
プラン(計画)
学ぼうとしていることが達成したら何が起きるかを考えること。
そして、それはどのような戦略があると達成できるかを考えること。
モニター(監視)
戦略はうまく行っているのか?
もしうまく行っていなかったら、何を変えればいいか?
エバリュエイト(評価)
学ぼうとしてたことを達成したか?
つまり、”学ぶ”内容は、時代の変化とともに適性がなくなるかもしれないが、メタコグニションの力を身につけることで、目の前にある"事態"に対して、"適応"が可能になるという。
同じ動画の中で、Pablo Torres氏は、メタコグニションをすることで、おこる主体性の変化を次のように説明している。
1、考えることで、自分の考えに気づく
2、気づいたことで、"学び"が自分の中で、対象として実体化する
3、対象となることで、操作できる
最終的に、操れるということは、"学び"が「私」の思考回路に組み込れたということ。
思考回路に入らなければ、誰か他の人の事例としての情報にとどまり、メタコグニションがなければ、活用できる知恵にはならないといういうわけだ。
メタコグニションと組織の中での学びについて上記で述べたので、
次回の記事では、どのような環境だと、メタコグニションが組織の中で可能なのかを探求してみたい。
CLO(Chief Learning Officer) = 最高人材・組織開発責任者
Photo by NASA on Unsplash
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