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台湾カレー(台式咖哩飯)

■台湾にもカレーがある

このことを知ったのは、コロナ旋風が全国を吹き抜けた時のことである。
私の台湾に対する興味の指向性は、あくまで歴史。元々食い物は「毒入ってなけりゃ」「不味くなけりゃ」特にこだわりがない、そのくせ食わず嫌いが激しく、食べ物やグルメ関係の知識はほとんどない。

「台北のおいしいレストランを教えて!」

「台湾のおすすめの食べ物を教えて!」

Twitterでひととおりの台湾通を気取っていると、こういう質問が時折飛び込んでくる。お問い合わせはありがたいのだが、当代グルメ音痴が知ったかで答えるわけにはいきませぬ。
台湾初心者がベクトルを向けるものといえばまず食べ物グルメ、これは仕方ない。これだけは、
「聞く相手が悪かった」
とググっていただけると幸いである、Googleさんの方が非常によくご存じだから。

そんな私が、ある日、台湾式カレーと出会うことに。くどいようだが、台湾グルメはほぼ白紙につき、台湾DEカレーということ自体が全く連想できず、そんなのあるの?という次元だった。

◆台式咖哩飯

台湾風カレーは、台湾華語(北京語)で「台式咖哩飯(タイシーカーリーファン)」と言う。
台湾にカレーが入ってきた具体的な時期は不明だが、日本統治時代に入ってきたというのが定説とのこと。台湾史上もっとも古いカレーの記録は、1927年(昭和2)12月26日の『臺灣日日新報』夕刊記載の、台北の洋食レストランが紹介したレシピとなっている。

そして現在。台湾にも「カレー」は定着し、インド・タイ・そして日本式とカレー屋百家争鳴状態に。専門店はもちろん、松屋やすき家のサブメニューとしてのカレーも入れると、その数は計り知れない。


台式咖哩飯台湾のカレー屋

地元の人が集う夜市などに行くと、「咖哩飯」の文字を目にすることはあるものの、

「台湾に来てまでカレーは…」

という心理がはたらき、意識している人は少ないかもしれない。

現地で直接食べてみたい気持ちはあるけれども、ただでさえ食わず嫌いの怪物な上に、昨今の事情がそれを許さず。たぶん再び行ける頃になったら、こんな小事は忘れているだろう…そうだ思い出した、「あそこ」に台式咖哩飯があったような!?

◆百聞は一食に如かず

京都の台湾料理店微風台南

こちらは、関西在住時はいつもお世話になっていた京都の台湾料理店、微風台南
本家本元の台湾料理店として関西ではかなり有名で、台湾の味が恋しい日本人はもちろん、在関西台湾人もよく訪れる店である。
微風台南の詳細は、過去にブログで書いたことがある。近々Noteに移植予定だが、それまでは下のリンクをご覧いただきたい。

2年前、新型コロナの影響で飲食店が軒並み打撃を受けている中、微風台南もかなりダメージを受けているかも…もしかして休業かも…と思い、念のため来店前に電話を入れたところ。

私「開いてます?」

電話の向こうからはこんな返答が。

店「いちおう。。。。開いています」

い、いちおうって(笑

いちおう…に込められた店主(だと思う)の深い思いを計り知ることはできないが、これはお金を落としに行かなければならない…でもカレーを食べたいだけなんやけど…何かよくわからない使命感を抱いて足は京都へ向かうことに。

しかし、私の心配は杞憂に終わり、中には5組ほどの客が。店内はそこそこの広さなので、5組なら特に密ではない。

台式咖哩飯台湾カレー

お目当てのそれ・・はそこに存在していた。
その上の台南蝦仁飯にも実は興味があり、この際予算度外視でカレーと一緒に食べてしまおうかと触手を伸ばしそうになったものの、主役の影が薄くなっては困ると今回は理性でストップをかけることにした。


京都の台湾料理店微風台南の台式咖哩飯

そしてやって来ましたは台式咖哩飯。


京都の台湾料理店微風台南の台式咖哩飯

上の写真では少し見づらいが、カレーに排骨(豚のスペアリブ)がのっており、台式排骨咖哩飯と呼んでもいいだろう。

見た目は確かにカレーではあるものの、口にしてみると何かが違う…ほのかな甘みがあるような、ないような感じで、どっちかというとカレーというよりカレーうどんに近い感覚である。少なくても言えるのは辛くないということ。汁もサラッとしたイメージは崩れ、日式カレーと比べるとかなりとろみがある。

排骨は、見た目は日本のかつカレーに似ている。が、味はとんかつではなくトンテキに近いもの。台湾カツカレーとも言えるのではあるものの、やはり似て非なるもの。

Twitterの台湾人フォロワーさんが、「排骨+咖哩の組み合わせって見たことがない」と言っていたが、もしかしてこの店オリジナルなのかもしれない。少なくてもこの組み合わせは美味しい。日本人にはカツカレー感覚である。

台式咖哩飯、実は台湾人の中でも賛否両論という話を小耳にはさんだことがある。やはり日本のカレーの方が美味いという声もあれば、いやいや台式も負けていないと、食い物がかかると「戦争」になってしまう台湾世界の中でも、隠れた「戦争」なのかもしれない。

しかし、私の口から言えることは、洋食のカレーではなく「台湾料理」と思えばなんでもないということ。むしろ私は全然イケる口。

京都の台湾料理店、微風台南の台湾カレー

ところで、右下に黄色いたくあんのようなものがある。

私「ほう、台湾カレーにはたくあんもつくのか!」

と一切れまるごとひとかじり!
…その瞬間、辛い感覚が口の中に拡がり、ゲフンゲフンとむせることに。時期が時期ゆえにこのむせ方はヤバい。

これ生姜、つまりガリだったのである。見た目はたくあんだっただけに、トラップに引っかかったようで質が悪い(笑

◆百ブログは一食に如かず

こうして私の台式咖哩飯参拝の旅は完了。これを見て興味を持った方は、是非こちらで本場(?)の台湾カレーをお楽しみあれ!

いつか、現地台湾で食べられることを祈りつつ。いや、今年は絶対に食うぞ!


*本場の台式咖哩飯、こちらで食べられます!*

◆営業時間

■Lunch : 12:00~15:00 (ラストオーダー14:30)
■Dinner: 18:00~22:00 (ラストオーダー21:30)
※もう大丈夫と思うけれども、このご時世につき来店前の電話確認が無難

◆定休日

月曜日(盆・正月や春節などは要確認

◆電話番号

075-211-9817

◆アクセス

①京阪本線(鴨東線)神宮丸太町駅3番口 徒歩4分
②京都市営地下鉄東西線 京都市役所前駅3番出口 徒歩約10分
③京都市バス 「河原町丸太町」停留所下車
・バス番号:4 / 17 / 205:京都駅より
(※京都駅からだと河原町丸太町交差点の南側(なか卯の前)で下ろされるので、交差点を渡り北上したすぐ先。なお、京都駅方面は店の前にバス停あり)
・202:祇園・清水寺・東福寺駅方面より


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