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入籍10ヶ月で適応障害になった話 〈10〉


母が亡くなった時、私はまだ中学3年生だったし
それはもう十数年前のことなので、
全く覚えていないとまではいかないけれど

3番目の兄が
「お母さんいつでも家に帰ってきてね」
と声をかけると母は意識が無い中で
頷いていたのを覚えています。

父も反応してくれるかなと思い
たくさん声をかけたけれど
父は何も言いませんでした。

しばらくは父の体は温かく
私と旦那さんでずっと手を握っていました。

私が放心状態でいたので、
旦那さんが兄達に電話をしてくれていたそうです。

旦那さんが泣きすぎて
びっくりしたと兄達が教えてくれました。
そんな情に熱く、優しい旦那さんが大好きです。

体温が徐々に下がって来た頃に
1番目の兄と、父方の祖母と叔父叔母が
会いに来てくれました。

「この子は小さい頃からせっかちだったけど、
 死ぬのまでせっかちなんてねぇ。」
と90歳をとうに超えている祖母が
悲しそうにこぼしていました。

それからはあまりにも忙しい時間でした。
地元の葬儀会社に連絡をして、
父を引き取りに来てもらい、
私は一緒に霊柩車に乗って葬儀場まで向かいました。
                          Nana.N




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