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入籍10ヶ月で適応障害になった話 〈8〉



泣くわけにはいかない。
父の前ではずっと笑顔でいたかったんです。
心配はかけたくなかった。

兄と2人で父に声をかけていると
「またな。」
とだけ言って、父は眠ってしまいました。

父が入院してからの毎晩、
病院からかかってくる電話が怖くて、
でもそれを逃すわけにはいかなくて
毎日iPhoneを握って寝ていました。

1月18日、病院からのお泊まりの許可が出たので
その話を聞きに病院に向かいました。

ソーシャルワーカーの方から
父は緩和ケアを希望していて
「奇跡的に緩和病棟のある病院が空きました。
 希望されていましたが移動されますか?」

と聞かれました。
父の状態があまりにも良くなかったので
移送中に悪化するかもしれないこと
父には意識がほぼないこと
を伝えられました。

ですが私は移動しなくてもいいと伝えました。
父の状態が悪化するのももちろん嫌でしたが
何より1秒でも父と一緒にいたかった。
お泊まりもしたかった。

私のエゴだったと思います。

話し合いの後すぐに自宅に帰り、
お風呂に入りお泊まりの準備をして、
足はやに病院に向かいました。
                        Nana.N



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