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入籍10ヶ月で適応障害になった話 〈11〉


葬儀場に着いたのは22時半、
その葬儀場はとても温かい会社だったので
「今夜のお父さんには私どもが付いておりますので
 本日はお家に帰ってゆっくり休んでください。」
と言ってくれました。

夜遅い時間に自宅に帰りベットに入って
「もう携帯を握りながら寝なくてもいいのか
 病院に呼ばれることも無いんだもんな」
そう思いながら旦那さんにしがみついて眠りました。

翌朝何もわからない中で
数日分の着替え等の生活用品を準備して
父の葬儀場に向かいました。

幸い旦那さんはリモートワークが出来る会社だったので
横にいてくれました。

1番目の兄は自営業だったので
休むことが出来ず義姉がずっと一緒に
葬儀に関する相談役を担ってくれていました。

その葬儀場は「最後の家族旅行へ。」
というのがコンセプトだったので
年に数回決まって家族旅行をする私たちに
とてもピッタリだと思い選びました。

最期にした父とのテレビ電話で
「葬儀は土日に小さくすること、
 葬儀が終わってから新聞に上げること、
 家族みんなでお肉を食べてお酒を飲んで過ごすこと」
という遺言通りに父の葬儀を行いました。

通夜の後にお肉を含むフルコースと
赤ワインを父のいる部屋でみんなでいただきました。
「なんだか旅行みたいだね」

みんなが父のこと、自分たちのこと、
過去のことを話しながら過ごす時間。
父はこんな時間を過ごすように言っていたのかな
と思えました。

こんな私たちを見て不謹慎だと思ったり
父が可哀想だと思う人がいるかもしれない。
だけど私たち家族にはこのように
寄り添って過ごす時間が必要でした。
                       Nana.N




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